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イタリアを覆う新型コロナパニック。
ユーべvs.インテル延期、街は閑散。
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神尾光臣Mitsuomi Kamio
photograph byGetty Images
posted2020/03/03 08:00
![イタリアを覆う新型コロナパニック。ユーべvs.インテル延期、街は閑散。<Number Web> photograph by Getty Images](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/0/a/700/img_0acab3c1f33168020507517970d827c2151171.jpg)
日本ではトイレットペーパーの買い占めなどが起きているが、セリエAが延期となったイタリアでも同様の模様だ。
市内は閑散、景気後退の危機。
感染地域では人の出入りも禁止。そこには鉄道駅も含まれているが、よりによって使用禁止となった駅は、2月6日の脱線事故を受けて高速鉄道が迂回路に設定した路線上だ。24日には検査のため路線ごと封鎖となり、ミラノ・ローマ間の高速特急はさらなる迂回を強いられることに。
感染地域が属する州でも大幅な隔離措置が取られた。
不特定多数が至近距離で接近することを避けるため、美術館、劇場、また18時から6時まではバールやパブ、ディスコなども閉まっている。もっとも夜を待つまでもなく、市内はもぬけの殻。ドゥオーモ広場を中心とし、本来は人だかりで賑わうところまで閑散としている。4月に開催される予定だったサローネ国際家具見本市は6月に延期となった。
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景気後退の危機も騒がれ、「今のような規制を続けると生活が死ぬ」との声も上がる。
「だいいちバールなどを夜から閉めたって意味ないじゃない。ウイルスは日中には感染しないの?」と服飾店の店員はぼやいていた。
延期か無観客かセリエAは大混乱。
当然、スポーツの世界も無縁ではいられない。政府の要請に従いジムや草サッカー場は営業を自粛。下部カテゴリーも含めて、スポーツイベントは中止ないしは延期となった。しかし、沢山の人が関わり多額の金が動くプロスポーツの世界は簡単ではない。
とりわけサッカーの世界は大混乱に陥っている。
セリエAは29日と3月1日の第26節のうち国が厳格な制限を課した5州で予定されていたユベントスvs.インテル、ミランvs.ジェノア、サッスオーロvs.ブレシア、パルマvs.スパル、そして、ウディネーゼvs.フィオレンティーナの5試合を無観客試合で行なう決断を下した。スケジュールが詰まっており延期が困難なためだ。
それでも納得しないクラブは出てくる。
ミランとジェノアは延期を希望し、ユベントスはピエモンテ州の規制が29日で終了することを理由に、観客を入れさせて欲しいと当局に要請したのである。それらの嘆願は一度却下された無観客で行うという方向に一旦落ち着いた。
ところが、その後まさかの展開に。