酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
浪商、PL時代に大阪桐蔭vs.履正社。
昭和~令和の大阪・高校野球激闘史。
posted2019/09/02 08:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kyodo News
今夏の甲子園を振り返って痛感するのは「やっぱり大阪は強いなあ」ということだ。
ここ3年の春夏の甲子園の決勝戦結果を見ると、そう感じる。
2017年春
大阪桐蔭(大阪)8−3履正社(大阪)
2017年夏
花咲徳栄(埼玉)14−4広陵(広島)
2018年春
大阪桐蔭(大阪)5−2智弁和歌山(和歌山)
2018年夏
大阪桐蔭(大阪)13−2金足農(秋田)
2019年春
東邦(愛知)6−0習志野(千葉)
2019年夏
履正社(大阪)5−3星稜(石川)
6回の決勝戦のうち4回を大阪勢が制している。2017年春などは、史上初めて大阪府同士での決勝戦となった。
「大阪を制するものは天下を制す」と言っても過言ではないのだ。
ここまで独占率が高くなったのは最近のことだが、大阪府が甲子園で圧倒的に強いのは、今に始まった話ではない。
「大阪私学7強」の1960〜70年代。
昭和の昔から高校野球関係者たちは「甲子園で勝つより大阪府大会で勝ち抜く方が難しい」と言ってきた。
1960年〜70年代には「大阪私学7強時代」があった。以下、2019年時点で7強の甲子園での春夏通算成績である。
興国 出場7回 優勝1回
明星 出場12回 優勝1回
PL学園 出場37回 優勝7回、準優勝4回 ※野球部は休止
浪商(現:大体大浪商)
出場32回 優勝4回、準優勝3回
北陽(現:関大北陽)
出場14回 準優勝1回
近大附属 出場12回 優勝1回
大鉄(現:阪南大高)出場7回 準優勝1回
7校ともに甲子園で準優勝以上の実績がある。これら全国屈指の強豪が大阪府大会で鎬を削ったのだ。中でも一番校歴が浅いPL学園が一気に台頭し、台風の目のようになっていった。