履正社が強くなった時期は……。

　履正社は、1922年大阪府福島商業として開校した歴史ある学校だが、野球が強くなったのは岡田龍生監督が就任した1987年以降だ。当初は2回戦、3回戦での敗退が続いたが、1997年準決勝で初顔合わせの大阪桐蔭を破って夏の甲子園に初出場。以後、大阪桐蔭の最大のライバルとして切磋琢磨している。

　＜大阪府大会での戦績＞
　1997年準決勝
　〇履正社 2−1 大阪桐蔭●

　1999年2回戦
　〇履正社 13−12 大阪桐蔭●

　2005年準決勝
　●履正社 3−11 大阪桐蔭〇

　2006年4回戦
　●履正社 2−3 大阪桐蔭〇

　2007年5回戦
　●履正社 0−7 大阪桐蔭〇

　2008年決勝
　●履正社 0−2 大阪桐蔭〇

　2011年準決勝
　●履正社 1−5 大阪桐蔭〇

　2012年決勝
　●履正社 8−10 大阪桐蔭〇

　2013年決勝
　●履正社 1−5 大阪桐蔭〇

　2014年準決勝
　●履正社 2−6 大阪桐蔭〇

　2015年2回戦
　●履正社 1−5 大阪桐蔭〇

　2017年準決勝
　●履正社 4−8 大阪桐蔭〇
　
　2018年準決勝
　●履正社 4−6 大阪桐蔭〇

　大阪桐蔭が全国屈指の強豪校になって以降、大阪府大会では履正社は11連敗と全く歯が立たない。しかし近畿大会などでは大阪桐蔭と互角の戦績を残し、2017年は両校がそろって春の甲子園に選抜されて勝ち続け、史上初めて大阪府同士の決勝戦となった。しかしここでも履正社は大阪桐蔭に3−8と負けている。

伝説となった2015年の府大会2回戦。

　大阪府大会はシード制をとらず全校が抽選で対戦カードが決まる。このため2015年には、なんと2回戦で履正社と大阪桐蔭が当たった。

　筆者はこの試合を観戦したが「事実上の決勝戦」とあって、舞洲スタジアムは超満員。テレビカメラも入る、空にはヘリコプターも舞っていた。水分補給をしようにも球場内の自動販売機があっという間にすべて売り切れになった。

　速射砲のようなノックをする履正社の岡田監督、笑顔を浮かべゆったりとノックバットを振る大阪桐蔭の西谷監督。両指揮官も好対照だった。しかしここでも履正社は大阪桐蔭に勝てなかった。

　2019年は大阪桐蔭が準々決勝で金光大阪に3−4で敗れ、履正社との対戦はならなかった。履正社、岡田監督としては来年こそは大阪桐蔭を破ったうえで夏連覇をしたいところだろう。「大阪は大阪桐蔭だけじゃないことを知ってほしかった」という言葉に長年の苦労がにじみ出る。

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