プレミアリーグの時間BACK NUMBER
激戦必至、プレミア優勝争い大予想。
本命は“ビッグ6”のうち……どこ?
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2017/08/11 09:00
プレミア開幕を前にしたコミュニティーシールドを制したのはアーセナル。何かと批判されるベンゲル監督には嬉しい戴冠だったかもしれない。
アーセナルは珍しく積極補強を図り、戦術も柔軟に。
優勝への意気込み、そしてタイトルの必要性では、アーセン・ベンゲル率いるアーセナルも負けていない。強まるファンの退任要求を余所に続投を決めたベンゲルは異例の積極補強を図った。プレシーズン開始前の段階で、課題とされたCBとFWにセアド・コラシナツとアレクサンドル・ラカゼットを獲得した。
先のコミュニティシールドで先発した2人は、コラシナツが同点のヘディングシュートを叩き込むなど攻守に奮闘。ラカゼットはシュートがポスト直撃するなど無得点に終わったが献身的な働きを見せた。またベンゲル監督は昨季終盤から混ぜ始めた3バックを採用。戦術面での柔軟性を垣間見せている。
とはいえ14年ぶりとなるリーグ優勝の可能性は、薄いと判断せざるを得ない。チェルシー戦では、優勢で試合を進めながらセットプレーの甘い守備で先制点を許したのはその好例だ。何よりコミュニティーシールドでの勝利後に「一致団結」の大切さを訴えた指揮官自身がが、自身への不満が爆発する危険性を理解している。
ベンゲル監督は現地メディアもリスペクトしているが。
アーセナルと言えば、かつては開幕前にメディアも「今季こそは」と好意的な目を向ける存在だった。かつてJリーグで指揮を執ったこともあってベンゲルは日本人にとって特別な存在だが、イングランド人の記者たちもプレミアでで結果を残し続けてきた指揮官にはリスペクトの気持ちを持っている。
ただ予想となると“トップ4は厳しい”という見方で接しているのだから、それ以降の第2グループ勢に関する見込みの薄さは推して知るべしである。