プレミアリーグの時間BACK NUMBER
激戦必至、プレミア優勝争い大予想。
本命は“ビッグ6”のうち……どこ?
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2017/08/11 09:00
プレミア開幕を前にしたコミュニティーシールドを制したのはアーセナル。何かと批判されるベンゲル監督には嬉しい戴冠だったかもしれない。
トッテナムの懸念はウェンブリー開催のホーム戦?
トッテナムはチェルシーと同じく補強がやや進んでいないが、ムードは良好である。新戦力獲得ゼロで8月を迎えてたが、成長が望める若い主軸が順調だからだ。何よりハリー・ケインとデル・アリには具体的な移籍の噂すらない。心臓部の中盤もビクター・ワニャマをはじめ4名をローテーションで起用できる。そしてトビー・アルデルバイレルトとヤン・ベルトンゲンのCBコンビの、守護神ウーゴ・ロリスが控える守備陣はリーグ最高レベルの安定感だ。
ただ「トッテナムの優勝はない」と見る識者が多い理由は“ウェンブリー・ファクター”にある。新スタジアム建設中のトッテナムは昨季までのホワイト・ハート・レーンに替わり、ウェンブリー・スタジアムを本拠地として使用する。かつての本拠地より5m長く2m広いピッチは、ハイラインとプレッシングを前提とするマウリシオ・ポチェッティーノ監督の戦術に微妙な影響を及ぼすかもしれない。
リバプールはとにかくコウチーニョの去就が……。
リバプールはネイマールのパリ・サンジェルマン移籍余波という見舞われている。それは原稿執筆時点で結論は出ていないが、バルセロナによるフィリペ・コウチーニョ獲得の動きだ。
昨季のリバプールはコウチーニョの負傷離脱がなければ優勝戦線に踏み止まれたとも評されたが、逆に言えばコウチーニョへの依存度の高さを示すものでもあった。チャンスメイクのみならず、自らゴールネットを揺らせるキーマンを引き抜かれてしまうと、大きなダメージとなる
バルセロナは1億ポンド(約143億円)台の移籍金を用意しているとも言われるが、あと3週間程度の移籍市場で、ユルゲン・クロップ監督のスタイルに適した即戦力が買えるという保証はない。それ以上にもしリバプールのフロントが売却を選択すれば、コウチーニョにも勝る希望の源であるはずのクロップ自身が、クラブでの今後に疑問を抱く事態さえ危惧される。