“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
他の選手なら造反、長谷部誠なら納得。
監督から与えられた巨大権限とは。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byAFLO
posted2017/02/07 11:00
かつて内田篤人が無人島に連れて行きたい3人を聞かれて「大工、漁師、長谷部」と答えた話はあまりにも有名。その人間力は本物だ。
30歳を超えてからの成長曲線はこんなにも美しい。
続く第19節のホームでのダルムシュタット戦。フランクフルトにとって、絶対に落とせないダービーでも、ボランチでスタメン出場を果たすと、0-0で迎えた74分、ヘスス・バジェホが得たPKのキッカーを託された。貴重な先制点が懸かった重要なPKをきっちりと決めると、チームは83分に追加点を奪って、2試合連続完封となる2-0の勝利。
『いてもらわないと困る唯一無二の存在』である長谷部誠の存在感は、試合を重ねるごとに大きくなる一方だ。年齢を重ねるほど、成長へのアプローチは変化するし、それを実現することは難しい。それを見事に具現化している、長谷部の姿はベテランのあるべき姿の大きな指標となっている。
30歳を超えてから描く新たな成長曲線は、こんなにも美しく、力強いことであるという驚きと共に。