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長谷部誠「マヤ、お前なら余裕だ」
“吉田史上最高”の時が訪れた理由。

posted2017/06/01 07:00

 
長谷部誠「マヤ、お前なら余裕だ」“吉田史上最高”の時が訪れた理由。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

28歳となった吉田は全身からたくましさを感じさせる。いつの間にか最終ラインの門番に相応しい風格を身につけたのだ。

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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Takuya Sugiyama

 今年3月、吉田麻也は長谷部誠にLINEのメッセージを送った。目前に迫ったロシアW杯アジア最終予選のUAE戦(アウェー)とタイ戦(ホーム)でキャプテンマークを巻くことになったからだ。律儀な彼は、負傷離脱中の前任者にこう報告した。

「ハセさん、今日、キャプテンをやることになりました。ハセさんみたいに引っ張れるかわからないけど、俺なりにやってみます。勝って日本に帰れるように頑張ります。また日本で」

 長谷部からは、スタンプとともにこう返ってきた。

「マヤ、お前なら余裕だ。気負わず頑張ってな。レフェリーのコントロールよろしくな。また日本で待ってる」

 レフェリーのコントロールとは、試合中の主審とのコミュニケーションのこと。例えば微妙な判定でファウルの笛が鳴らされたとき、主審の意図を訊き、こちらの思いを伝えることによって互いに信頼関係を築き、不可解なジャッジが下されることを防ぐ。キャプテンの大事な役割だ。

 主審との共通言語は、もちろん英語。'08年からドイツでプレーしている長谷部にとっては、問題ない。そして、後任者にとっても。吉田は長谷部に、「余裕です!」というセリフ付きのスタンプを送信した。

「間違いなく今が『吉田史上最高』でしょうね」

 Number928号のロングインタビューで、吉田は股関節痛に苦しみ、自身のミスによって猛烈な批判を浴びたブラジルでのコンフェデ杯から、日本人として初めてプレミアリーグ100試合出場を達成した今季のサウサンプトンでの戦いまで、4年間の葛藤と飛躍の舞台裏を赤裸々に語っている。

「唯一、英語に関してはイギリスにいればいるほど上達するから、間違いなく今が『吉田史上最高』でしょうね」

【次ページ】 吉田流の英語上達法、教えてくれませんか?

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