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フランス2部の最優秀監督は女性!
コリンヌ・ディアクル、不屈の魂。
posted2017/02/06 11:00
text by
フランク・シモンFrank Simon
photograph by
ALEX MARTIN/L'EQUIPE
フランスのリーグ2には、恐らくヨーロッパのプロリーグでも唯一といえる女性監督がいるのをご存じだろうか。
コリンヌ・ディアクル。
当初は好奇の目で見られていた彼女も、今は男性と変わらぬ一監督として、その存在を認められている。
『フランス・フットボール』誌1月24日号では、フランク・シモン記者が関係者の証言をもとに、なぜディアクルが男子の中で成功できたのかを描き出している。
日本でも、女性が女子チームの監督としてベンチに座るのは、日常的な風景となった。彼女たちが男子チームのベンチに座る日も、やがてやって来るのだろうか。
監修:田村修一
フランス2部のクラブを率いて3年目の女性監督。
2014年6月にリーグ2のクラブ、クレルモン・フットの監督に就任して以来、彼女はキッチリと結果を残してきた。
当初はメディアから好奇の目で見られていたコリンヌ・ディアクル(元フランス女子代表キャプテン、121キャップ、42歳)。
彼女は、3年前にフランスサッカー史上初となる男子プロクラブの女性監督となったエレーナ・コスタの後を継ぎ、就任後の2年間でその能力の高さを証明した('14~'15シーズンは12位、'15~'16シーズンは7位。今季は2月1日現在12位につける)。
彼女こそは、サッカーにおける女性の新たな可能性を体現していると言っていい。
リーグ2において、コリンヌ・ディアクルは敬意を集めている。対戦相手には、その戦術的手腕が恐ろしくもある。クロード・ミシー会長により2014年6月28日にクレルモン・フットの監督に任命された際の、メディアの狂騒ぶりは今や昔である。
そのひと月半前、会長は女性を監督としてベンチに座らせるという前代未聞の決断を下した。彼の眼鏡にかなったのは、ポルトガル人のエレーナ・コスタだった。ところがその数週間後、コスタはプレシーズン合宿に入る間もなく監督を辞任してしまった。
それでもミシーの女性志向は変わらなかった。白羽の矢が立てられたのがディアクルで、彼女は男子チームを指揮するのに必要なライセンスを持つ数少ない女性のひとりだった。こうして彼女の冒険が始まったのだった。