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広島、緒方体制2年目は強烈な逆風。
サンフレッチェに学ぶ「3本の矢」。
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/01/28 10:30
カープ大野寮にて、今季の新人たちの自主トレを視察する緒方監督。新戦力は現われるか。
サッカーのサンフレッチェの兵法に学ぶ。
今季の緒方監督は同じ広島に本拠地を置くJ1サンフレッチェの戦い方に感銘を受け、「3本の矢」でシーズンを乗り切ると宣言した。
(1)勝利の方程式の確立
(2)接戦で勝ちきる攻撃
(3)選手起用、采配
目指すべきサンフレッチェの姿。それは「接戦で1点を奪い、1点を守り抜く。長いリーグ戦を巧妙な選手起用で勝ち抜き、頂点に立つ」戦い方だ。毎年のように主力選手を他クラブへ引き抜かれながらも、4年で3度リーグ優勝に導いた森保一監督のような舵取りが求められる。
チームづくりで遅れをとらないためには、まず全体の方針を明確にした上でチーム内競争を刺激し、骨格を作っていかなければいけない。選手の能力見極めは早々に、チーム力を最大化するために選手をどう配置するか。2次キャンプからオープン戦に入ったころには、2年目の緒方広島がどのような野球をしたいのか浮かび上がってくることを期待したい。
試合終盤の継投力の整備は絶対不可欠。
守備面では、昨年1年通して解決できなかった勝利の方程式の確立が最優先となる。昨季は外国人ヒースや経験の浅い若手で乗り切ろうとしたが、ついにシーズン終了まで安定感は手に入れられなかった。若手中心の1次キャンプから選手達をふるいにかけ、二軍スタートとなった実績組と競わせながら、限られた戦力の中で最善の形を模索していくことになる。
昨年セ・リーグを制したヤクルトなどの例から、終盤の継投力の必要性は広島首脳陣も強く感じている。全体的に経験の浅い投手が多いポジションだけに、昨年の大瀬良のように先発から配置転換する投手も含め、首脳陣の眼力が問われそうだ。