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広島、緒方体制2年目は強烈な逆風。
サンフレッチェに学ぶ「3本の矢」。
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/01/28 10:30
カープ大野寮にて、今季の新人たちの自主トレを視察する緒方監督。新戦力は現われるか。
総得点は3位、問題は26度の1点差負け。
攻撃面では、僅差の試合展開での得点力が課題となる。昨季の広島の総得点506点はリーグ3位、チーム打率.246も同5位。数字としては、特別に振るわなかったわけではない。むしろ数字に表れない“勝負どころの一打”を欠いたことが、26試合もの1点差負けにつながった。
そこで今季は、秋季キャンプから新任の石井琢朗打撃コーチらによって、状況に応じた打撃の意識付けが徹底されつつある。石井コーチは「打撃は良くて3割。そこを上げようとするのではなく、打てない7割でどうやって点を取れるようにするか」と説く。
個々のレベルアップに重きを置かれた昨秋キャンプから、より実戦的、より戦術的となる春季キャンプでどのような変化が見られるか。昨季61.5%だった盗塁成功率を70~75%まで引き上げることも課題にする。
例年にない逆風の中、緒方広島の2年目の航海が始まる。スタートダッシュのためには、向かい風を追い風とする舵取りが欠かせない。