プロ野球亭日乗BACK NUMBER
「最善を尽くす」采配に批判が殺到!?
巨人・原監督の視線の先には――。
posted2015/09/04 10:40
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Takuya Sugiyama
最近、巨人の球団や親会社の読売新聞社には、原辰徳監督の采配を批判する投書が多く寄せられているという話を聞いた。
稀に見る混戦となった今季のセ・リーグ。8月が終わっても抜け出せるチームはなく、おそらく9月末までデッドヒートは続き、最後に調子を上げたチームがペナントを制する可能性が高いように思える。
その中でリーグ4連覇に挑む巨人も、今年はひょっとしたら4位まで可能性がある。
過去を振り返れば、2年連続3位に沈んだ2010、2011年当時は、敗れたとはいえ阿部慎之助捕手という大黒柱が元気で、そこに坂本勇人内野手や長野久義外野手ら、ファンが将来を夢見る有望な若手の台頭もあった。そういう意味では、敗れても希望のあるチームだったことで、ファンも自分を納得させられる要素があった。
9年で6度の優勝を果たしていても……。
しかし、今年の巨人にはそういう夢もない。
とにかく必死に毎日を戦い、1つの白星を取ることに四苦八苦して、少し状態が上がってきたかと期待すれば、あっさり敗れる。その小さな夢さえも泡のように消えてしまうから、ファンのイライラ、消化不良は募るばかりなのである。
そこで一番目につくのが、監督の采配や選手起用となるわけだ。
監督復帰から9年間で6度の優勝、Bクラスはわずか1回という原監督の実績を考えると、歯がゆい今季の戦いは、ファンにとっては不満に映るのも当たり前なのかもしれない。
確かに、突っ込みどころは満載のように見える。
例えば昨年から繰り返される日替わりの選手起用や打順もそうだし、つい最近では走塁ミスの連発に端を発した、勝呂壽統内野守備走塁コーチから川相昌弘ヘッドコーチへの三塁コーチャーの交代劇もある。
またここ数日よく聞かれるのは、せっかく二軍からルーキーの岡本和真内野手を昇格させながら、先発で起用するでもなく、あまりチャンスを与えていないことに批判的な投書もあると聞く。