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ドラフト1位候補、高校生はこの5人!
大学生、社会人も数年は豊作決定?
posted2015/09/04 10:30
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
NIKKAN SPORTS
夏の甲子園大会後に行われる国際大会が高校野球の行事として定着、グローバルな視点からの選手評価が一般化してきた。
その国際大会、WBSC(世界野球ソフトボール連盟)主催による第27回U-18ベースボールワールドカップ(以下U-18W杯)が8月28日から9月6日まで大阪、兵庫で行われ、ドラフト候補に挙がる高校球児が会場の舞洲ベースボールスタジアムで躍動した。
約1カ月半後に迫ったドラフト会議で1位指名されるのは誰か、全日本高校代表球児の話題をメインにしながら、大学生、社会人の顔ぶれも予想してみた。
●小笠原慎之介(東海大相模・投手)
全日本のエース格・小笠原は、優勝した選手権ではスライダーを曲げたいという意識が強すぎたのかヒジが下がり、スリークォーターになった分、体の開きが早く、私が見たベストピッチ、春季神奈川大会準々決勝の慶応戦と比較すると物足りなかった。
それがU-18W杯では、ヒジの下がりは相変わらずだが、右半身がしっかり壁の役割を果たし、投げにいくときの早い体の開きを防いだ。第3戦のオーストラリア戦では先発して6回を投げ、被安打3、奪三振9で、失点はエラーが絡んだ1点だけ。4回から5回にかけてはストレート主体で4者連続奪三振を果たし、プロの評価を盤石なものにした。
●高橋純平(県岐阜商・投手)
左太ももの肉離れで夏の岐阜大会は1試合しか投げられなかった高橋は、選手権を逃した悔しさをこのU-18W杯で晴らした。
本大会の前に行われた大学日本代表との壮行試合でも、1イニングを投げて復活をアピールしたが、オーストラリア戦はマウンドからホームベースまでのバッテリー間が非常に狭く見え、球持ちのよさを強烈に印象づけた。
代わった9回に32球投げて、変化球はわずか2球だけ。それでも高低、内外に加え、無走者でのクイックなどストレートを何種類にも見せる投球術はさすがで、個人的な印象では大谷翔平(花巻東→日本ハム)、藤浪晋太郎(大阪桐蔭→阪神)以降の、高校球界で一番即戦力に近い投手だと思った。