「どうぞいろんな評論を戦わせて下さいと思う」

「ファンの皆さんやメディア、評論家のみなさんが色々と評論されるのは仕方ないし、どうぞそうやっていろんな評論を戦わせて下さいと思う。特にファンの皆さんは日々、一喜一憂して欲しい。それがファンの権利だからです。ただ、我々はそういう声を受け止めつつも、流されるのではなくできることをやり切るしかない。そうして最後に勝つ。目標はそれしかないんです」

　もちろん目の前だけを見ているわけではない。その中で次につなげるためにどうチームの青写真を描くのか――。

　8月27日に岡本を一軍に引き上げたのは、実は絶妙なタイミングだと思っている。

　それ以前ではまだまだ本人が力不足、経験不足だったし、もう少しあとのシーズンが切羽詰まった状況になると、一軍には岡本を抱えながら戦う余裕もなくなる。

　将来の主軸を期待されるこのルーキーに一軍の空気を吸わせるためには、ここしかないというタイミングで引き上げ、何度か打席に立たせているわけだ。まだまだ一軍では力不足と見える岡本にとっては、この経験が来年の大きな財産になる。そういう狙いの一軍昇格だと見ている。

デッドヒートのセを楽しみ、一喜一憂しよう。

　残り20試合余り。

　巨人ファンばかりでなく、我々プロ野球ファンはセ・リーグの熾烈なデッドヒートを大いに楽しみ、一喜一憂しよう。そして今日も原監督だけでなく、それぞれの贔屓のチームの戦いぶり、監督の采配を肴に酒でも飲もう。

　それは現場とは離れたファンだからこそ享受できる、野球の一番の楽しみだからである。