欧州サムライ戦記BACK NUMBER
香川真司、CL7戦で6出場の理由。
現地記者、チームメイトの信頼の声。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2014/02/26 12:20
ポゼッション率では上回ったものの、相手シュート数が12なのに対して、マンUはわずか6という……攻撃陣の活性化を託される香川への期待は大きい。
香川は本当にユナイテッドを去るべきなのか。
「絶対に勝てるチャンスはある。それぐらいのポテンシャルは絶対にある、ホームなので。そこに向けて、頑張っていきます」
そう話した香川は自らの置かれた状況については、こんな風にとらえている。
「悔しいけど、ただ毎日、毎日やるしかないし、急激に(状況が)変わることはないので。地道に、やっていきたいなと思います」
香川はユナイテッドを去るべきではないか。あるいは、ユナイテッドにいても意味がないのではないか。そんな意見は日本の読者なら、一度ならずとも耳にしたことがあるはずだ。
3月5日には代表戦、そして19日には勝負の2ndレグが。
しかし、結論づけるのは時期尚早だ。
3月5日に行なわれる日本代表のニュージーランド戦。メンバーは日本時間の木曜日に発表されるが、おそらく香川は招集されるだろうし、試合でも長い時間起用されるはずだ。ザッケローニ監督は8月に行なわれたウルグアイとの親善試合の際にも、当時は所属クラブで出番が得られていなかった香川と長谷部誠を、意図的に長く起用している。たった1試合のためにイギリスを離れて日本へ飛ぶのは、もちろん大きな負担を強いられる。ただ今回ばかりは、実戦での感覚をつかむための貴重な機会となる。
そして3月19日には、ホームで戦うCLのオリンピアコスとの2ndレグが控えている。再び香川にチャンスが訪れる可能性はあるだろう。
ユナイテッドの選手として香川がふさわしいのか、そうではないのか。
現状は厳しい。
しかし、何が正解なのかを判断するのはまだ早い。これからの1カ月。それが彼の未来を決めるはずだ。最高のシナリオを描けるかどうか。すべては、香川のプレーにかかっているのである。