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「試合前に骨折していた」武尊の“衝撃KO負け”にまさかの新事実「それでもロッタン勝利の価値は揺るがない」本人は言い訳せず「全てが自分の実力」
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布施鋼治Koji Fuse
photograph byONE Championship Susumu Nagao
posted2025/03/26 17:02

1ラウンド1分20秒でロッタン・ジットムアンノンにKO負けを喫した武尊。試合後、同門の野杁正明が驚きの事実を明かした
それでもロッタン勝利の価値は揺るがない
気になるのは試合前に「ロッタン戦を集大成にする」と宣言していた武尊の今後だ。ONEでは通常勝者しかインタビューを受けないが、その影響力を察してか、最後に武尊は記者団の前に現れた。肝心の進退についての明言を避けた。
「リベンジしたいかと言われたらもちろんしたいけれど、今はこの先のことは考えてない」
その一方で武尊の前に会見に出席したONE のチャトリ・シットヨットンCEOはロッタンと武尊の再戦の可能性について聞かれると、「もちろんある」と確約した。
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「以前から武尊とロッタンの試合は1回で終わらないと思っていた。武尊も(また)試合をしたいと言っているし、ロッタンもベルトを求めている。もう一度打ち合わないといけない」
マッチメーカーとしてチャトリCEOの脳裏には、次なる日本大会でのロッタンvs.武尊と野杁vs.タワンチャイの再戦が浮かんでいるのだろうか。武尊との見解の相違は、ふたりの格闘技観の違いとして受け止めるしかあるまい。
勝負は、時としてはかない。「武尊が負けたのはケガをしていたからだ」という見方もあるだろう。だが、だからといってロッタンの勝利の価値に揺らぎはあるまい。いかなる事情があっても、リングに立つ以上は全てを含めて“勝負”であるからだ。
野杁の発言を受け、武尊もSNSで「試合への準備も含めて全てが自分の実力。快挙を成し遂げた試合後の正明にこんなこと言わせてしまって申し訳ない」と呟いている。
言い訳をすることは武尊の本望ではないだろうし、それが認められてしまったら試合そのものがフェアではなくなってしまう。
桜が満開になる直前で武尊は散った。
