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大谷翔平に“打たれた投手”の本音「盗塁もできる。四球を出すと厳しい…」一体なぜ抑えられない? ホームランと盗塁に「じつは意外な関係性」
text by
斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph byNanae Suzuki
posted2024/09/25 06:02
「50-50」の大台に乗せたドジャースの大谷翔平
「間違いない。それで、立ち上がりが、どうなるかが決まるようなもの。彼は盗塁もできる。後ろに控える好打者を踏まえれば、四球を出すと厳しい」
四球を避け、ストライクを投げる意識があったことを明かした。今季、盗塁成功率の高い大谷は出塁すれば、足を使える。無死二塁から、失点につながる可能性が高い。さらに、当時はベッツを欠いていても、フリーマン、ウィル・スミス、テオスカー・ヘルナンデスら強打者が控え、致命的な失点にもなりかねない。
必然的に相手投手は、1番打者の第1打席で四球を避けたい心理が働くのは自然だろう。投手でもある大谷からすれば、3-2からストライクを入れてくる確率が高いと頭に入れていたとしてもおかしくない。
大谷も自覚「本塁打があると、相手へのプレッシャーが違う」
大谷は今年4月、自らにとっての本塁打の位置づけをこう語った。
「バッティング自体は可能性を広げていく作業だと思う。その可能性を広げる中で、ホームランがあるかないかで、相手にかかるプレッシャーももちろん違いますし、来るボール自体にも多少影響するので、そういう意味では自分の長所でもあるので、大事にしていきたい」
ストライクゾーンの真ん中付近、甘いボールを高い確率で本塁打に出来れば、必然的に相手投手は厳しいコースを攻めるようになる。結果的に、四球が出やすくなり、盗塁につながる。逆もしかりで、厳しいコースを狙わざるを得ない相手投手にプレッシャーがかかり、甘く入ってきた失投を大谷が本塁打にする。相乗効果で好影響を与えている。
直近のロッキーズ3連戦を終え、8月10日以来の打率3割に乗せた。長打だけでなく、技ありの単打や四球から盗塁もある。大谷は、自らが描く究極の打者に近づきつつある。