Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER
[ナ・リーグのライバル研究]ドジャース包囲網を突破せよ パドレス/ダイヤモンドバックス/フィリーズ/ブリュワーズ
posted2024/09/26 09:00
text by
ブラッド・レフトンBrad Lefton
photograph by
Yukihito Taguchi / Getty Images
ドジャースがワールドシリーズへたどり着くには強力なナ・リーグの雄を倒さなければならない。同じ西地区で激しく優勝を争った宿敵たちと、中・東地区で首位を走る2球団の真の実力とは。
西地区のドジャースに大谷翔平、ムーキー・ベッツら、東地区のフィリーズにブライス・ハーパー、トレイ・ターナーら有名選手が名を連ねるのに対し、ナ・リーグ中地区を制したミルウォーキー・ブリュワーズは無名選手ばかりだ。
2度オールスターに選出されたブランドン・ウッドラフ投手と、2018年ナ・リーグMVPを獲得したクリスチャン・イエリッチ外野手がいるものの、それぞれ肩の手術と腰の故障によって戦線離脱している。それでもブリュワーズは4月30日から地区首位に立ち、独走した。
スーパースターがいなくとも、若手の活躍が目覚ましい。ウィリー・アダメス遊撃手(32本塁打、109打点、18盗塁=成績は9月16日時点、以下同)とウィリアム・コントレラス捕手(打率.281、22本塁打、90打点)が打線の軸。さらに活気があるのは新人のジャクソン・チョリオ外野手(打率.273、21本塁打、77打点)だ。春先こそ低迷したものの、6月に打率.315、7月に同.317、8月に同.321と徐々に調子を上げ、史上初めて20歳にして20本塁打20盗塁を記録した。
投手陣はフレディ・ぺラルタが2年連続の二桁勝利を挙げて期待に応えたが、ウッドラフの穴を埋めたのは日本プロ野球ファンに馴染みがある右腕だった。ソフトバンクで2021年から2年間で8勝を挙げたコリン・レイが、先発投手として12勝5敗と大活躍しているのだ。