メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
大谷翔平に“打たれた投手”の本音「盗塁もできる。四球を出すと厳しい…」一体なぜ抑えられない? ホームランと盗塁に「じつは意外な関係性」
posted2024/09/25 06:02
text by
斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph by
Nanae Suzuki
ドジャース大谷翔平投手(30)が、米国南東の端フロリダ州マイアミで「50-50」を達成した。19日(日本時間20日)のマーリンズ戦に「1番DH」で出場し、6打数6安打10打点。第4打席から3打席連続アーチで一気に「51-51」まで到達し、メジャー7年目で初のポストシーズン(PS)進出を決めた。
勢いは止まらず、20日から本拠地に戻ってロッキーズとの3連戦に出場し、合計12打数8安打で打率6割6分7厘、2本塁打、4盗塁。「53-55」まで数字を積み重ねた(9月22日時点)。
打順変更後に生まれた“相乗効果”
大谷の本塁打と盗塁は、打順変更を行った6月中旬からペースが上がった。同月16日のロイヤルズ戦で不動の1番だったムーキー・ベッツ外野手(31)が左手を骨折。長期離脱となり、翌日から大谷が代わりに「1番打者」で起用されることとなった。その結果、本塁打と盗塁が互いに相乗効果を生むかのように、量産されるようになった。
今季、2番大谷の打撃成績は69試合、274打数86安打で打率3割1分4厘、19本塁打、46打点、15盗塁。一方で、1番打者では84試合で337打数98安打、34本塁打、77打点、40盗塁となっている。それぞれを割合で比較すると、2番の時は本塁打率(1本塁打を打つのにどれだけ打数を要したか)は、14.42で、盗塁は4.6試合に1回ペース。1番打者の場合は、本塁打率9.91で、盗塁は2.1試合に1個の計算となる。つまり、1番打者の時は2番で起用されていた時よりも少ない打数で本塁打が出るようになり、盗塁ペースは倍以上に上がったということになる。
ホームランを打たれた投手の本音「四球を出すと厳しい」
6月26日のホワイトソックス戦、盗塁と本塁打の相乗効果が表れた象徴的なシーンがあった。1回の先頭打者で打席に入った大谷は、右腕エリック・フェッディと対戦。カウント3-2から、真ん中付近に甘く入ってきたカットボールを捉えた。2試合連続の先頭打者本塁打で、チームを勢いづけた。
フェッディは試合後、四球を出したくなかったのかと問われ、こう答えた。