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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
中村憲剛が絶賛するパリ五輪代表「この3人は強烈」小久保玲央ブライアンの貢献は好セーブ以外にも…準々決勝スペイン戦が「これ以上なく楽しみ」な理由
posted2024/08/02 17:05
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph by
Takuya Nakachi/JMPA
パリ五輪に出場しているU-23日本代表が、グループリーグ3連勝で首位通過を果たした。出場16か国で唯一オーバーエイジの招集が叶わず、U-23世代でも招集できない選手がいたなかで、大岩剛監督が指揮するチームはスキのない戦いを見せた。3連勝と無失点は、開催国フランスと日本だけである。
ここまでの3戦で強烈な“個”を見せつけた選手、そして準々決勝スペイン戦の展望とは。元日本代表MFでW杯出場経験を持ち、国内最上位のS級ライセンスを先ごろ取得した中村憲剛氏に解説してもらった。(全2回の2回目/前編へ)
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中村憲剛が注目する「三戸舜介のインサイドハーフ起用」
A代表でもU-23日本代表でも、活動できる時間は限られています。集まってくる選手たちも、所属クラブでそれぞれ違うシステムや役割を担っている。そういうなかで4-3-3のチームと対峙して、守備をカチッとハメ込むというのはかなり大変な作業です。
ひるがえって日本は、4-3-3を主戦術とし、システム上の優位性をこの3試合で言えばしっかりと生かしている印象です。
個人的に、4-3-3は中盤の「3」の作りが肝だと思っていて、そこに三戸舜介を配することに注目しています。彼はサイドアタッカーやシャドーで使われてきた選手です。プロデビューしたアルビレックス新潟で松橋力蔵監督から、立ち位置含めてパスサッカーの概念に触れている。
その三戸がインサイドハーフにポジションをとりながら、左ウイングの斉藤光毅とお互いのレーンを行き来することで、相手の守備にズレを生じさせ、そこに左SBの大畑歩夢が加わる。三戸がインサイドハーフにカチッとハマったことで、左サイドからの崩しのバリエーションが増えています。
それに対して右サイドは、平河悠や山田楓喜、あるいは佐藤恵允が大外で幅を取りながら、SBの関根大輝が内側からも外側からも関わっていき、インサイドハーフの山本理仁がバランスをとる。左右の攻撃の作りが非対称なのも、対戦相手からすると厄介なのでしょう。