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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
中村憲剛が絶賛するパリ五輪代表「この3人は強烈」小久保玲央ブライアンの貢献は好セーブ以外にも…準々決勝スペイン戦が「これ以上なく楽しみ」な理由
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byTakuya Nakachi/JMPA
posted2024/08/02 17:05
イスラエル戦でも好セーブを連発し、グループリーグ3連戦を無失点に抑えたGK小久保玲央ブライアン
守備時は三戸がCF(細谷真大)と並んで4-4-2になります。攻守において大岩監督からプレーモデルが提示されていて、選手たちも理解している。チームとしての練度が高いので、かりにオーバーエイジが入っていたとしても、「なるほど、こういう感じか」と理解して、実践できるとは思います。ただ、2022年春の始動から培われてきた「あうんの呼吸」は絶対にある。現時点ではU-23世代だけで戦っているメリットが発揮されているし、オーバーエイジがもたらす経験が必要となるのはこれからなので、「ここまではオーバーエイジを招集しなかったメリットが見える」という言い方になります。
「見どころは尽きません」スペインとの“4-3-3対決”へ
準々決勝はスペインが相手です。代表チームを横断する文化として4-3-3がベースになっていて、中盤の三角形が色々な形に変化しながら試合を支配していくのがスペインのスタイルです。日本の4-3-3は守備時には4-4-2になりますが、スペインはその4-4-2のブロックを破壊するためのロジックを国単位で持っている。そのスペインに対して、攻撃時にどこで歪みを生じさせるのか。どこで穴を作っていくのか。中2日の準備期間でどう対応するのか。見どころは尽きません。
基本的には、東京五輪の準決勝に似た構図になるのではないかと予想します。ボールを握られるのは覚悟の上で臨むのでしょうが、勝つためには「どう握るのか」がポイントになる。東京五輪では耐えて、耐えて、チャンスを作りつつも延長戦で力尽きた、という展開でした。ボールを奪ったあとの時間をどれだけ長くできるかが、ゴールを奪うための前提として大事になるでしょう。
“好セーブだけではない”小久保玲央ブライアンの貢献
このチームはGKの小久保玲央ブライアン、アンカーの藤田譲瑠チマ、CFの細谷真大と、センターラインが非常にしっかりしています。この3人は歴代のU-23世代でも「強烈」と言っていいのでは。パリ五輪後は日本代表に確実に絡んでくると思います。
小久保はここまでの3試合で、失点を防ぐ好セーブを見せてきました。個人的に触れたいのはマリ戦のPKです。U23アジアカップ決勝のウズベキスタン戦でもPKを止めていますが、マリ戦のPKは立ち居振る舞いで相手のシュートミスを誘ったような印象でした。はっきりとした威圧感がありました。