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中村憲剛がパリ五輪代表を徹底分析「なぜ“オーバーエイジなし”でも強い?」“厳しい論調”の前評判から怒涛の3連勝「あのW杯と似た一体感」

posted2024/08/02 17:04

 
中村憲剛がパリ五輪代表を徹底分析「なぜ“オーバーエイジなし”でも強い?」“厳しい論調”の前評判から怒涛の3連勝「あのW杯と似た一体感」<Number Web> photograph by Takuya Nakachi/JMPA

グループリーグ3連勝で準々決勝進出を決めたU-23日本代表。パリ五輪開幕前の前評判を見事に覆した

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中村憲剛+戸塚啓

中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka

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 パリ五輪に出場しているU-23日本代表が、グループリーグ3連勝で首位通過を果たした。出場16か国で唯一オーバーエイジの招集が叶わず、U-23世代でも招集できない選手がいたなかで、大岩剛監督が指揮するチームはスキのない戦いを見せた。3連勝と無失点は、開催国フランスと日本だけである。

 その戦いを不安視されることもあったチームは、いかにして勝利をつかんでいったのか。元日本代表MFでW杯出場経験を持ち、国内最上位のS級ライセンスを先ごろ取得した中村憲剛氏に分析してもらった。(全2回の1回目/後編へ)

◆◆◆

初戦大勝で得た“ 南アフリカW杯と似た一体感”

 まずはとにかく、グループリーグ突破を称えたいと思います。

 具体的な名前も挙がっていたオーバーエイジは招集できず、それまで中核を担っていた松木玖生も海外移籍の準備でメンバー外となったことで、大会前はやや厳しい論調が多かったように感じます。直前のフランスとのテストマッチでも、守勢に立たされる時間が長かった印象でした。

 それだけに、初戦の勝利は大きかったでしょう。パラグアイが退場者を出したとはいえ、勝点3をつかんで、大量5ゴールを奪うことができた。しかも、5得点すべてが意図的な崩しから、あるいは狙い通りと言っていい形から生まれていました。

 僕が出場した2010年の南アフリカW杯の日本代表は、直前のテストマッチで結果を出すことができませんでした。韓国、イングランド、コートジボワールに敗れ、急きょ戦術を変更して初戦のカメルーン戦に臨みました。

 ここで1対0の勝利をつかんだことで、チーム内の空気がガラリと変わりました。それまでチームを覆っていた停滞感が一掃され、勢いが生まれ、「この戦いでいけるぞ」という自信が膨らみました。

 パリ五輪に出場しているチームは、僕らほど厳しい状況ではなかったかもしれません。ただ、初戦に勝ったことで勢いをつかみ、自信を深め、一体感が高まっていった当時と同じものを感じます。

オーバーエイジを招集しなかったことがプラスに?

 ここまでの3試合だけで語るのなら、オーバーエイジを招集しなかったことはプラスに働いていると感じます。自分たちの世代で作ってきた連係、培ってきた呼吸といったものが、試合のなかで随所に発揮されている。ベンチの選手を見ても、一緒に戦っている雰囲気がものすごくある。

【次ページ】 4-3-3を機能させる藤田譲瑠チマの「絶大な存在感」

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