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“魔法の30mゴール”谷川萌々子は「ミトマを思い出す起用」ブラジル人記者の“なでしこ本音評価”「ハセガワは才能の塊。米国は脅威だが…」
posted2024/08/03 11:15
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Naoki Morita/AFLO
パリ五輪女子サッカーで、なでしこはグループステージ(GS)を2勝1敗の2位で勝ち上がり、3日、準々決勝で強豪アメリカと対戦する。
ブラジルのスポーツメディアきっての日本通であるチアゴ・ボンテンポ記者に、なでしこのGSでの戦いぶりとアメリカ戦の展望について聞いた。
ナイジェリア戦は安心して見ていられた
――GS初戦で優勝候補スペインに藤野あおばの鮮やかなFKで先制しながら、組織力と個人技で凌駕されて逆転負け(1-2)。ブラジルにも終盤までリードを許して大ピンチだったが、途中出場の谷川萌々子が果敢なドリブル突破からPKをもらって追いつき、さらに意表を突くミドルシュートを叩き込んで逆転。最後のナイジェリア戦は、前半のうちに3点を奪って快勝した。このGS3試合をどう捉えましたか?
「スペインに敗れたのは仕方がないとして、ブラジルにもあのまま敗れていたら大変なことになっていたが、後半35分の谷川投入が流れを変えた。ナイジェリア戦に関しては、ほとんどの時間帯で試合をコントロールしていたから、安心して見ていられた」
――前半22分、MF長谷川唯が左前方へスルーパスを送り、FW植木理子からのクロスをゴール前でFW浜野まいかが合わせて先制。その10分後には、CB熊谷紗希が右サイドへスルーパス。MF守屋都弥が折り返し、植木のヘディングシュートがバーに当たって跳ね返ったところをFW田中美南が押し込んだ。前半アディショナルタイムには、ゴール前やや右寄りのFKをMF北川ひかるが左足でゴール右上隅へねじ込んだ。
「最初の2点は、長谷川と熊谷のパスがナイジェリア守備陣を完全に崩した。若い浜野、そしてブラジル戦で決定機とPKを外した田中が待望の得点を決めたし、北川のFKは見事だった」
タニカワの途中出場…ミトマを思い出すよ(笑)
――あなたはブラジル戦で大活躍した谷川の先発起用を望んでいたが、池田太監督は後半アディショナルタイムになってようやくピッチへ送り出しました。