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「退場後も(西尾)隆矢は謝りながら…」“おとぼけ+響く声の主将”藤田譲瑠チマ22歳が語るパリ世代の団結「一緒に戦ってきた仲間のために」
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了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byMutsu Kawamori
posted2024/07/24 17:22
![「退場後も(西尾)隆矢は謝りながら…」“おとぼけ+響く声の主将”藤田譲瑠チマ22歳が語るパリ世代の団結「一緒に戦ってきた仲間のために」<Number Web> photograph by Mutsu Kawamori](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/2/a/700/img_2a64c40af5a1716bc8988d2d68edebbe250883.jpg)
パリ五輪世代のキャプテンを務める藤田譲瑠チマ。頼れるピッチ内でのプレーと、ピッチ外でのギャップもまた魅力だ
「試合を見てくれる子たちのために頑張るわけじゃないですけど、見てくれる人たちに憧れてもらえるように頑張りたいなって思います」
パリオリンピックがもう間もなく始まる。W杯など世界大会ではこれまで、選手たちは声を揃えて“初戦への入りがその後の戦いを左右する”などと強調し、“初戦以降のことは初戦が終わってから考える”とまで言う者もいた。だが、藤田の見方は少し違う。
「初戦は大事だとは思いますけど、そこまで“初戦が”と思いすぎたくない気持ちもあります。もし初戦に負けてもほかの2試合で勝てばいいわけです。なので、自分は初戦ではなくて、つねに目の前の試合に全力で臨みたいと思っています」
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目標は初戦に勝つことではなく大会に勝つこと。だから、もしも出だしでつまずいても次に向けて切り替えることのほうが大事だ。アジアカップで初戦から特大のハプニングにも対応してきた経験は大きく生きてくるだろう。
一緒に戦う、一緒に戦ってきたチームメイトのために
大岩ジャパンにはいくつもストロングポイントがあると言う。
「アグレッシブにサッカーができるところもそうですし、チームとしてやりたいことがはっきりしてるところも強みだと思います。どこでボールを取りにいくか、どうやって攻撃していくかっていうのはより成熟してきて、みんながお互いにわかってきてる。セットプレーに関しても種類はどこにも負けないくらいあります」
最終的にはオーバーエイジ枠を使わず、同じ経験を共有する同世代のみでチームが構成されたが、相互理解、あうんの呼吸という意味ではこれが強みとなるかもしれない。藤田はそこにこそ、自分たちが戦う意味を見出している。
「何のために戦うかと聞かれたら、自分のためと自分たちのためですね。日本のために戦う、という感覚はまだ自分にはよくわからないです。だから、一緒に戦うチームメイト、これまで一緒に戦ってきたチームメイトのために頑張りたいです」
日本の男子サッカーが過去に成し得なかった、金メダル獲得へ。藤田と仲間たちは今、走り出す。
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