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〈球団新記録〉228セーブのロッテ・益田直也に『幕張の防波堤』小林雅英が伝えたこと「俺の記録を抜いてからにしろ、と言ってきたけれど…」 

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梶原紀章(千葉ロッテ広報)

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara

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photograph byChiba Lotte Marines

posted2024/07/01 11:02

〈球団新記録〉228セーブのロッテ・益田直也に『幕張の防波堤』小林雅英が伝えたこと「俺の記録を抜いてからにしろ、と言ってきたけれど…」<Number Web> photograph by Chiba Lotte Marines

節目のセーブを挙げ捕手に抱きつく益田

 そんな小林雅英氏から益田へと球団記録は更新された。次に待つ大記録は名球会入りの条件でもある通算250セーブだ。小林雅英氏はその後移籍したジャイアンツとMLBで挙げたセーブを加えて日米通算234セーブ。名球会入りまで残り16セーブというところでユニホームを脱いでいる。名球会ブレザーの採寸も行っていたが、最後その数字に惜しくも届かなかった。だから教え子でもある益田には期待を寄せている。

「それはやっぱり大きなステータスですから。そこを目指せるのだから目指して欲しいと思う」

「まずは名球会入り、次は…」

 今年中にこの数字に到達して欲しい、そうエールを送る。

 小林雅英氏が投手コーチを務めるエイジェック硬式野球部は都市対抗野球大会栃木県予選で優勝するなど躍進を続けており、北関東大会第1代表として7月に東京ドームで行われる本大会に3年ぶりに出場する。小林雅英氏にとって忙しい日々が続く。

 ただ、古巣の動向と益田のマウンドを見守る気持ちは忘れてはいない。

「まずは名球会入り。そして次、俺の現役の年齢を超えて欲しいなあ。オレは37歳まで現役で38歳からコーチだから。益田には40歳を目指して欲しい。それを超えてからだったら俺の前でどんなに偉そうにしてもいいし、文句を受けつける!」

 今年35歳になる益田に先輩らしいメッセージを届け、豪快に笑った。

「幕張の防波堤」のDNA

 プロ野球はシーズン前半戦が間もなく終わり、ペナントレースは佳境へと突入する。勝負の夏。各チームの守護神の存在感が際立つ季節だ。益田は言う。

「チームの勝ちのためなら腕がちぎれてもいいくらいの気持ちでしっかりと投げたい」

 マリーンズにはレジェンドの益田がいる。『幕張の防波堤』の異名をとった小林雅英氏の意思を受け継ぎ、誰よりもマリーンズを愛し、誰よりも勝利を追求する男は、今年こそリーグ優勝を実現し、その最後のマウンドを締めるという熱い思いを抱いている。

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