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「ケガだけが心配」の声も…DeNAオースティンが全力プレーをやめない深いワケ 本人が明かす「監督に胸ぐらを掴まれた日」「甲子園が大好きなんだ」
posted2024/07/01 11:03
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
JIJI PRESS
その姿が見たかった、と思わずにはいられない。
バッターボックスに入る前の悠然とした雰囲気、バッティンググローブのベルクロテープを外しては付け直すルーティン、そして投手と相対したときのクールで鋭い眼光――。
横浜DeNAベイスターズのタイラー・オースティンがチャンスの場面で打席に立つと、横浜スタジアムの空気は一変する。
「今シーズンの目標は、一日でも長く健康でいて野球を楽しむこと。今のところはそれができているから、いい状態だと思うよ」
オースティンは口角を片方だけ上げ、チャーミングな笑顔を見せた。野球をやることのできる喜びが、その口調からは滲み出ていた。
実力を遺憾なく発揮している頼れる男
今季は来日5年目にして開幕戦(対広島)で初スタメンを飾り、3安打を放つなど頼りがいのあるところを見せたが、4月10日の中日戦で右太もも裏を負傷し登録抹消。またかと暗雲立ち込めたが、5月17日に一軍復帰すると、筒香嘉智が加わったDeNAの超強力打線にあって際立った存在感を見せている。
パ・リーグの投手を相手にした交流戦の成績は打率.338、5本塁打、13打点、得点圏打率.357、OPS1.086、さらに18試合連続安打を記録した6月の月間成績は打率.346、5本塁打、17打点、得点圏打率.471、OPS1.031というMVP級の卓越した数字を残している。
自分の数字よりも、フォーカスしているのはチームの勝利
だが、オースティンは言うのだ。