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「“アスリート妊婦”ってどうしたらいいの?」元なでしこDF岩清水梓が悩んだ“妊娠後の孤独”…「ずっと寂しかったんだ」気づいた本心
posted2024/06/08 06:01
text by
岩清水梓Azusa Iwashimizu
photograph by
JFA/AFLO
散々、思い悩んで、一度はサッカーから離れる決心をしたり、でもやっぱり子どもを産んでからも続けることにしたり。そのあと、クラブには事実上の産休に入ると報告したり……我ながら、あの時期はなかなか濃密な1、2週間を過ごしたな、と思う。
クラブにも、チームメイトにも妊娠と産後の復帰の意思を伝え、改めてシーズン途中での離脱を心からお詫びした。そしてその日から、私はチームのトレーニングから離れた。
産前のトレーニングって、どうすればいいの?
さて、離れたはいいのだけれど、産前のトレーニングって、一体なにから始めたらいいものなのか。
まだ、別にお腹も大きくなっていない。かと言って、安定期にも入っていない。どこまで動いていいのかな? ゼーハーするまで脈は上げていいの? 重いものって、どれくらいまでなら持っていいの? フィットネスバイクは漕いでもいいのかな? お腹は張る? 張らない?
……わからない。まったくもってわからない。クラブのトレーナーさんに聞いても、初めてのケースなのでわからない。なにこれ、どうしたらいいの!
ひとまずは、以前、捻挫や怪我をしたときに、荷重をかけないようなリハビリメニューを何度か経験したことがあったので、それをおさらいするような形でトレーニングをすることにした。
そこから、私はとことん調べた。インターネットで、そして本で—そう、つまり自力だ。そもそも、どうやって情報を手に入れたらいいのかもよくわかっていなかったので、気になることがあると、その都度、手当たり次第に調べていた。
“アスリート妊婦”が産後に向けてやっていいことは何?
しかし、これは私の検索能力も関係するのだけれど、調べても、調べても、出てくる情報は当たり前だが「一般論」ばかりだった。大体は、転ばないように、とか、重いものを持たないで、みたいな常識的な情報になる。「やらないほうがいいこと」はいくらでも見つかるのだけれど、運動において「やっていいこと」がなかなか見つからない。