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「えっ!オコエ瑠偉にセーフティースクイズ?」阿部慎之助監督の采配に異論が…巨人首位でも得点力不足の理由 思い出すのは長嶋監督時代の落合博満?
posted2024/06/03 17:17
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
SANKEI SHIMBUN
賛否両論が渦巻いた……いや、批判的な論調が圧倒的と言った方がいいかもしれない。
5月28日の巨人対ソフトバンク戦での巨人・阿部慎之助監督の采配である。
この日の試合は巨人・山崎伊織、ソフトバンク・有原航平両先発の投げ合いで緊迫した投手戦が続いていた。均衡を破ったのはソフトバンク。5回に6番・栗原陵矢内野手がソロ本塁打を放って1点を先行。そして問題の場面は1点を追う6回の巨人の攻撃だった。
先頭の山崎の代打・立岡宗一郎外野手が四球で出塁。1番の丸佳浩外野手のときに二盗を決め、丸は二塁への内野安打で無死一、三塁とチャンスが広がった。
ここで打席に立ったのはこの日、2番に抜擢されたオコエ瑠偉外野手である。初球にベンチが動いた。いきなりオコエがバントの構えから、バットを引いて判定はボール。阿部監督が出したサインはセーフティースクイズだったのである。
スタンドにどよめきが湧き起こるが、お構いなく2球目のバントがファウルとなった後の3球目だ。今度はバントしたボールが捕手前で大きく弾む。三塁走者の立岡はスタートを切れず、結果的に一塁走者を二塁へと進める犠打となった。1死二、三塁。それでもまだ一打逆転のチャンスは残った。しかし3番・吉川尚輝内野手の二ゴロに中途半端なスタートの立岡が本塁前で止まって2死。続く岡本和真内野手の四球で満塁としたが、坂本勇人内野手が右飛に倒れてチャンスは潰れ、7回に追加点を奪われた巨人は、交流戦初戦を完封負けであっさり落とした。
この結果、セーフティースクイズのサインに異論が噴出したのである。
阿部監督の選択は“消極的”だったのか?
1点差の無死一、三塁。ソフトバンクの内野陣は二遊間が中間守備のゲッツー態勢で、同点は仕方ないというシフトだった。セオリーなら併殺覚悟でここは強打。内野ゴロで併殺となっても最悪、同点は確保できる。あわよくば安打となれば一気にチャンスは広がるはずだ。だからこそこの場面でバントを指示した阿部監督の選択が、非常に消極的に見えて批判を浴びることになったわけである。