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“交流戦男”の今永昇太や山本由伸、松井裕樹がメジャーに行ったけど「首位打者はセだと牧秀悟。パは?」直近3年データ比較が面白い
posted2024/05/29 11:01
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Naoya Sanuki/Atsushi Hashimoto
5月28日からセ・パ交流戦が始まった。2005年から始まって20シーズン目になるが、2020年は新型コロナ禍で中止になったので今年で19回目になる。
例年パが強かったが、コロナ禍以降はセが巻き返し
セ・パ両リーグの対抗戦、2023年までの勝敗は以下のようになっている。
2005年/ セ104勝 7分 パ105勝
2006年/ セ107勝 1分 パ108勝
2007年/ セ66勝 4分 パ74勝
2008年/ セ71勝 0分 パ73勝
2009年/ セ70勝 7分 パ67勝
2010年/ セ59勝 4分 パ81勝
2011年/ セ57勝 9分 パ78勝
2012年/ セ66勝 11分 パ67勝
2013年/ セ60勝 4分 パ80勝
2014年/ セ70勝 3分 パ71勝
2015年/ セ44勝 3分 パ61勝
2016年/ セ47勝 1分 パ60勝
2017年/ セ51勝 1分 パ56勝
2018年/ セ48勝 1分 パ59勝
2019年/ セ46勝 4分 パ58勝
2020年/ 中止
2021年/ セ49勝 11分 パ48勝
2022年/ セ55勝 0分 パ53勝
2023年/ セ52勝 2分 パ54勝
交流戦は当初、ホーム・ビジター各3試合の1チーム36試合だったが、2007年からホーム・ビジター各2試合の24試合となり、2015年以降はホーム、またはビジター3試合の18試合となった。試合数は当初の半分になったのだ。
2023年までの通算成績は、セ1122勝73分パ1253勝、パが100勝以上も勝ち越している。パがなぜ強いのかは「DH制がある方が有利なのではないか」などの議論があった。
しかしコロナ禍の中断以降は、セ156勝13分パ155勝と1勝ながらセが勝ち越している。近年は五分五分の勝負になったといってよいだろう。
開幕から2カ月、セ・パ両リーグはようやく「今シーズンの勢力図」が固まりつつある。セは圧倒的かと思われた阪神に広島、巨人が食らいつき、混戦の様相を呈している。パは大戦力のソフトバンクが予想通り強く、他を引き離している。
この展開のまま終盤まで行くようなイメージができつつあるが、実は交流戦は、こうした「ペナントレースの空気」を一変させることがある。
ここ3年の「交流戦前と交流戦後」の順位表を比較
ここからは2021~2023年のさまざまな成績を振り返っていく。まずはセ・パ両リーグの「交流戦前」と「交流戦後」の順位表を比べてみよう。
〈2021年 セ・リーグ〉
・交流戦前
阪 神42試28勝12敗2分 率.700 差--
巨 人46試23勝16敗7分 率.590 差4.5
ヤクルト43試20勝16敗7分 率.556 差6
広 島41試16勝20敗5分 率.444 差10
中 日45試16勝22敗7分 率.421 差11
DeNA47試12勝29敗6分 率.293 差16.5
・交流戦後
阪 神60試39勝19敗2分 率.672 差--
ヤクルト61試30勝24敗7分 率.556 差7
巨 人64試30勝24敗10分 率.556 差7
中 日63試25勝29敗9分 率.463 差12
DeNA65試21勝35敗9分 率.375 差17
広 島56試18勝30敗8分 率.375 差16
阪神が交流戦の間にゲーム差を広げたが、この年優勝のヤクルトが2位につけている。