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「オレは死なないから絶対にタオルは入れるな」“炎の男”輪島功一の闘志はなぜ衰えなかったのか? 執念の世界王座奪還で日本中を熱狂させた日
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![渋谷淳](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/e/d/-/img_edc914fc338a5bbcf41ac377fabc334211232.jpg)
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byKYODO
posted2024/04/06 17:05
![「オレは死なないから絶対にタオルは入れるな」“炎の男”輪島功一の闘志はなぜ衰えなかったのか? 執念の世界王座奪還で日本中を熱狂させた日<Number Web> photograph by KYODO](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/5/7/700/img_57cde9532e9a6efa98a32c5f5bcbf58e205639.jpg)
1976年2月17日、8カ月前に敗れた柳済斗にリベンジを果たし、世界王者に返り咲いた輪島功一。こうして“炎の男”は伝説になった
「殴れるって喜びだよ。お前だって殴りたい人、いっぱいいるだろ。でも殴ったら大変なことになるから殴らない。やったら分かるんだよ。やっぱり(殴りっこは)ダメだと辞めるヤツもいる。そこは性格だけどね」
若いころから腕っ節の強かった輪島さんだが、ケンカをしたことがなかったという。「ケンカしたら殺してやろうと思うから」という理由だそうだが、だからこそ内に秘めたパワーをリングで爆発させる喜びがあったのかもしれない。
「やっぱり世界チャンピオンになれたというのはうれしかったね。成功の喜びだな。勝てたことで、これだ、これしかないんだと思えるわけでしょ。オレなんか学歴もないからね。勝てば、よーっし、もっと稼いでやろう、とも思えるしね。いい意味で欲も出てくるんだよ」
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輪島さんのラストファイトから44年後の2021年、孫の磯谷大心がプロのリングに上がった。輪島さんの長女の長男である磯谷はデビュー3年目を迎えた現在も悪戦苦闘しながら、プロ選手としてキャリアを重ねている。輪島さんがリングに注ぐ視線はいまなお熱い。
<前編から続く>
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