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甲子園の風BACK NUMBER
慶応「OB集結…応援の圧に鳥肌」、明桜「アキタ“コマチ”=B’zの名曲採用」…大阪桐蔭も智弁和歌山もいない甲子園で“ひと味違った”応援まとめ
posted2023/08/19 06:01
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph by
Sankei Shimbun
4年ぶりに声出し応援が復活した夏の甲子園。ほとんどの生徒が本格的な声出し応援は初めてで、これまでの伝統にとらわれずに、新しい応援方法や曲を導入した学校も多数ある。大阪桐蔭や智弁和歌山など、応援にもファンの多い強豪校は出場していないものの、あらためて全49校の応援を聴くとさまざまな発見がある。これだから、アルプススタンド通いはやめられないのだ。
素晴らしい応援は多数あったが、今回特に印象に残った応援を登場順に紹介したい。
【土浦日大】水戸黄門からYOASOBIまで
まずは8月6日の開会式、夏の甲子園だけで響くオリジナルファンファーレや、『栄冠は君に輝く』の演奏を聴きながら、「やっぱり生演奏はいいなあ」と感動に浸っていると、開幕戦・土浦日大(茨城)の初回攻撃時に流れてきたのは、まさかの『水戸黄門』! 「人生楽ありゃ苦もあるさ~」の歌詞でおなじみの、テレビドラマ時代劇『水戸黄門』のオープニング曲、『あゝ人生に涙あり』だ。「なるほど、茨城代表だからか」と思っていると、今度はYOASOBIの『アイドル』が流れ、あまりの時代の差に、のっけから頭の中が忙しい。
【浦和学院】ドラゴンボールの伝統
『浦学サンバ』などのオリジナル曲が有名な、浦和学院(埼玉)。サンバのリズムに合わせた陽気なメロディが流れると、アルプスが一気に明るくなる。合間に挟む野球部のコールも、思わず「え?」と二度見ならぬ二度聴きしてしまう。なぜなら、「かめはめ波ー!」「元気玉ー!」と叫んでいたからだ。「かめはめ波」も「元気玉」も、名作漫画『ドラゴンボール』に登場する必殺技だが、吹奏楽部顧問の高畑圭史氏に聞くと、「ああ、昔から叫んでいますね」と笑う。おそらく、『ドラゴンボール』全盛期の頃に応援で使うようになり、今でもその伝統が受け継がれているのだろう。ちなみに、コールはあと2つあり、聞き取れなくて野球部に聞いてみると、「『デスターシャ』と『ラララライ』です!」とのことだった。