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“伝説の決勝”のウラに審判の神ジャッジが!? 元国際主審・家本さんが斬るW杯決勝戦「シモンさんは“退ける”レフェリングができていた」 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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posted2022/12/27 17:01

“伝説の決勝”のウラに審判の神ジャッジが!? 元国際主審・家本さんが斬るW杯決勝戦「シモンさんは“退ける”レフェリングができていた」<Number Web> photograph by Getty Images

W杯決勝というプレッシャーのかかるゲームを毅然とした態度で裁いたポーランド人シモン・マルチニアク主審。かつてJリーグでも笛を吹いたことがある

――話を決勝に戻しますが、南米vs欧州の構図で主審は欧州(ポーランド)のシモンさんでした。アルゼンチンはクロアチアとの準決勝でも欧州(イタリア)のオルサート主審。該当大陸以外の主審が担当するというのはもはや関係なくなってきているのでしょうか?

家本 ほかの大陸からという基本は変わっていないと思います。勝ち上がっている国の主審が担当することもレアケースなんですが、モロッコとポルトガルの準々決勝ではアルゼンチン人主審が笛を吹いていますし、ニュートラル性は据え置きにしつつも主審のパフォーマンスを重視するというFIFA審判委員会の姿勢がうかがえますよね。

 ただ当然ながらリスクはあります。ニュートラル性を欠くことによって何かしらのミスが起こればクレームが大きくなることも考えられますから。それでもゲームのレベルが高くなればなるほど、主審にも高いクオリティが求められます。冒頭で話したように、プレーの高速化が進み、フィジカル的な要素が必要になる以上、パフォーマンス重視は理解できます。

――シモン主審のパフォーマンスは今後のことを考えても、極めて大事だったわけですね。

家本 本当にそうです。彼はリスクをものともしないメンタルの強さがありましたし、繰り返しますが、アルゼンチン、フランス両チームをフットボールに集中させたことで歴史に残る名勝負となりました。FIFAからすれば期待以上、いや、期待どおりのパフォーマンスだったのではないでしょうか。

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