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“アジアの壁”井原正巳が振り返る<16歳の冨安健洋に福岡で初めて会った日>「僕が柱谷哲二さんから学んだように…」
posted2021/03/25 11:02
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
J.LEAGUE
東京オリンピックまであと4カ月――。この3月シリーズではベストメンバーでアルゼンチン代表を迎え撃つことが予想されたが、五輪世代で唯一、冨安健洋だけが日韓戦、モンゴルとのW杯予選を行うA代表に選出された。
「彼は代表のコアなメンバーとしてスタメンで出られるだけのプレーを見せてきたし、所属チームでもそうしたプレーを見せている。だから彼にはA代表に来てもらった」
両チームを率いる森保一監督の言葉を聞けば、この22歳のセンターバックがいかにA代表に欠かせぬ戦力なのかが分かるだろう。そんな冨安をセンターバックとして育て上げ、プロデビューへと導いた人物がいる。かつてアビスパ福岡の指揮を執り、現在、柏レイソルのコーチを務める井原正巳だ。
「アジアの壁」と呼ばれた日本代表の名センターバックは、セリエAのボローニャで奮闘する教え子のことを、どう見ているのか。そして、“ドーハの悲劇”で知られるオフトジャパン時代の盟友、森保監督についても訊いた(全2回の1回目/後編はこちら)。
「彼は代表のコアなメンバーとしてスタメンで出られるだけのプレーを見せてきたし、所属チームでもそうしたプレーを見せている。だから彼にはA代表に来てもらった」
両チームを率いる森保一監督の言葉を聞けば、この22歳のセンターバックがいかにA代表に欠かせぬ戦力なのかが分かるだろう。そんな冨安をセンターバックとして育て上げ、プロデビューへと導いた人物がいる。かつてアビスパ福岡の指揮を執り、現在、柏レイソルのコーチを務める井原正巳だ。
「アジアの壁」と呼ばれた日本代表の名センターバックは、セリエAのボローニャで奮闘する教え子のことを、どう見ているのか。そして、“ドーハの悲劇”で知られるオフトジャパン時代の盟友、森保監督についても訊いた(全2回の1回目/後編はこちら)。
第一印象は「ちょっと猫背だな」
――井原さんは2015年にアビスパ福岡の監督に就任されました。当時、冨安選手はアビスパのアカデミーに所属する高校2年生でした。井原さんが冨安選手の存在を知ったのもこの頃ですか?
井原 そうですね。アンダーの代表に入っていて、将来性のある選手がいるというので見てみたら、すごく良かった。それでトップチームに参加させようということになったんです。
――どんな印象でした?
井原 第一印象は……ちょっと猫背だなと(笑)。今でも前屈みになる傾向があるので、「猫背を直したほうがいいぞ」と話しています。サッカー選手にとって姿勢はすごく大事ですから。実際にプレーを見ると、サイズもあるし、よく走れるし、ボールさばきもしっかりしていて、これは育て甲斐があるなと。当時はセンターバックとボランチの両方をやっていたんですけど、僕は将来的にセンターバックとして育てていきたいと思いましたね。
16歳の冨安をスタメン起用
――2015年シーズンの天皇杯3回戦のFC町田ゼルビア戦では、16歳だった冨安選手をボランチとしてスタメン起用しました。抜擢した一番のポイントは?