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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「紛れもなく監督采配による勝利です」中村憲剛も唸ったドイツ戦“至極の一手”と、名将フリックの“誤算”とは「結果論にはなりますが…」
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byKaoru Watanabe/JMPA
posted2022/11/26 17:51
ドイツ代表のハンジ・フリック監督。チャンピオンズリーグ優勝経験を持つ名将だが、森保一監督率いる日本に「まさか」の逆転負けを喫した
ドイツ戦の勝利は、日本サッカー全体でつかんだものと言うこともできると思います。Jリーグが始まって30年、育成年代からの選手の指導を土台として、過去6回のW杯で積み上げてきたものを、森保監督と選手たちが勝利に結びつけてくれました。これには日本サッカーに関わる者として、掛け値なしに感動しています。
コスタリカ戦は「相手の状況に左右されないほうがいい」
27日に対戦するコスタリカは、スペインとの初戦に0対7で大敗しました。僕が選手ならちょっとやりくにい印象を抱きますが、今回の試合は相手の状況をしっかりと把握・理解しつつも、そこまで相手に寄せるべきではないと思います。よくも悪くも相手の状況に左右されないほうがいい。自分たちがやるべきことに集中することです。
そして、勝利したとはいえドイツ戦の前半でかなり苦しんだことは事実です。しっかり分析をして、コスタリカ戦ではそういった展開にならないように改めて戦い方を統一してほしいと思います。
コスタリカはカウンターが主戦術ですが、日本以上に勝ち点がほしいでしょうから、どこかで必ず前に出てきます。出てくればスペースが生まれる。そこを冷静に見極めることが大切になります。しっかり相手を見てサッカーをして、ゴールを決めてほしいです。
激戦だったドイツ戦から中3日、コンディション的にはかなりタフでしょう。別メニューでの調整が伝えられる酒井と冨安健洋のコンディションは気になるところで、彼ら以外にも疲労からの回復が必要です。しかし、ドイツ戦に出場できなかった選手たちは、あれだけの試合を眼前で見せられたのです。モチベーションはかなり高いでしょう。俺を出せ、俺が勝たせる、と。初戦の勝利には、こういった効果もあるのです。