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「ホンダ、カガワ」が今も一番有名な日本人選手!? “意外と知らないコスタリカのサッカー文化”をプレー経験ある人に聞いてみた
posted2022/11/27 06:00
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Kiichi Matsumoto/JMPA,Getty Images
カタールW杯、日本代表の歴史的勝利で浮ついている自分がいる。いやいや、少なくともあと2試合で勝ち点を積み重ねないと、日本代表が目標としている「ベスト8以上」は成し遂げられない――ということで、ドイツ戦勝利の余韻に浸ってないで、コスタリカ戦やスペイン戦に向けて、サッカーファンとしても気持ちを切り替えなきゃいけない。
ただ……コスタリカって、いかんせん情報が少ない。
Number1063号の選手名鑑などを見れば「ケイロル・ナバスいまだ健在」「北中米予選では7戦目までわずか1勝ながら、そこからプレーオフ経由で最後のW杯出場権の切符をゲット」など、選手やチームの基本情報は把握できた。ただなんというか……「日本サッカーの父クラマーさんの母国」「ノイアー、ゲッツェなど日本サッカー名選手の“元戦友”がいる」ドイツと似た思い入れを持つためには、コスタリカのサッカーを取り巻く文化について教えてもらった方がいいんじゃないか。
そう思っていたところ、世代別日本代表への招集経験がありながら世界各国でプレーし、2021年にはコスタリカでもプレーしたという斉藤誠司さん(36)に話を聞ける機会を得られた。コスタリカのサッカー観ってどんな感じなのか。様々な視点で聞いてみた。
選手、代理人としても「守備的」と実感した
――まずは概略になっちゃうんですが、斉藤さんのキャリアを教えてもらえますか?
「実は中学時代、柏レイソルのジュニアユースのセレクションに受からなかったんです。だけど翌日“なぜ僕が入れなかったんですか?”とクラブハウスを訪ねたら、当時のスタッフの方が面白い、となって1週間練習に参加して、そこから正式に一員となりました。16歳でブラジルのクラブに挑戦して、その後、契約解除になってしまったんですが、中学時代の“成功体験”があったからや世界各国のクラブへ“練習に参加させてくれませんか?”という売り込みを自らするようになったんです。その中で2021年はコスタリカのクラブに所属したんです」
――あまりに面白い経歴なんですが……今度またお聞かせください。コスタリカのサッカー文化って、どんな感じなんでしょう。
「まずサッカーが国内で人気がもっともあるスポーツであることは間違いありません。そして私はいち選手として実際にプレーしましたし、代理人という視点から見ても、サッカーファンの皆さんが持たれている『守備的』というイメージは強く実感しました」
――選手として、という点で印象的に残ったのは?