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「オレが一番ヘタや!」日本代表・守田英正が明かす「4年前、“第一志望”地元のガンバ大阪ではなく、フロンターレをあえて選んだ理由」 

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守田英正

守田英正Hidemasa Morita

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photograph byGetty Images

posted2022/12/01 17:02

「オレが一番ヘタや!」日本代表・守田英正が明かす「4年前、“第一志望”地元のガンバ大阪ではなく、フロンターレをあえて選んだ理由」<Number Web> photograph by Getty Images

コスタリカ戦でW杯デビューした守田英正。高校時代は“無名選手”だったという守田はどんな方法でステップアップしていったのか?

「フロンターレには、Jリーグを代表するボランチの大島僚太とエドゥアルド・ネットいる。試合に出られないかもしれないぞ」

 中野監督はプロになっても試合に出られず、2、3年で契約満了になってしまった卒業生をたくさん見てきたのでしょう。試合に出られる可能性が高い方を選ぶべきという意見でした。

 僕の決心は揺るぎませんでした。

「日本一のチームで日本一のボランチからポジションを奪ったら、すぐに日本代表も見えてくる。一番強いチームだからこそ川崎へ行きたいんです」

 直感は間違っていませんでした。

 フロンターレで競争にさらされ、新たなサッカーの概念を授かり、何より普遍的な技術を習得できたことで、僕がもともと持っていた「ずる賢さ」が飛躍的に進化したんです。

 ここでは僕がフロンターレで何を得たかを書きたいと思います。

「止める・蹴る」基本の習得に2年かかった

 フロンターレでは全体練習後、自主練をするのが恒例になっていました。今も変わらずやっていると思います。疲労や必要度に応じてやらない選手もいますが、若手はほぼ全員参加します。

 強制的な感じは一切なく、技術の習得がめちゃくちゃおもしろいし、うまくなっていくのが自分でもわかるので、鬼木(とおる)監督が止めないといつまでも続くような感じです。絶妙にプライドをくすぐられるメニューなので、子供のようにのめり込んでしまいます。

 僕が入団したとき、まず取り組んだのがL字形に並んでパスをする「止める・蹴る」の練習でした。 

 パスの出し手2人がL字の上端と右端に立ち、角に受け手が立ちます。

 受け手の足元にはマーカーで小さな正方形の枠がつくられ、トラップしたボールが枠から出たり、マーカーに当たったりしたらアウトです。

 また2人が対面で並んでパス交換する「止める・蹴る」も、毎日のようにやりました。うまくなればなるほど足元の正方形を小さくし、難易度を上げていきます。

 YouTube で「止める・蹴る」と検索するとこのメニューをやっている様子がたくさん出てくるので、興味がある人は調べてみてください。

 なぜこんな基本的なメニューが難しいかと言うと、フロンターレには「トラップはボールを完全静止させなければいけない」というルールがあるからです。

 トラップ後にボールが少しでも跳ねたり、わずかに横へコロッと動いたりしてもダメ。

 ホントの完全静止を求められます。

「それは止まっているとは言えないよ」

 よく選手の間で話題になるんですが、YouTuber がトライしている「ビタ止め」動画は、フロンターレの基準で見るとほぼ誰も止まっていません。

【次ページ】 「それは止まっているとは言えないよ」

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