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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
中村憲剛が“日本代表のキーマン”にあげた選手とは? W杯ドイツ戦を展望「スタメンのベースになるのは…」「中盤の三角形が非常に重要」
posted2022/11/04 17:26
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph by
Kiichi Matsumoto
カタールW杯に臨むサッカー日本代表のメンバーが、11月1日に発表された。26人の顔触れから見えてくる本大会での戦い方とは? 元日本代表の中村憲剛氏に、森保一監督の狙いを紐解いてもらった。(全2回の2回目/前編へ)
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クラブで絶好調の鎌田大地がキーマンに
システムは4-2-3-1を基本としつつ、4-3-3、3-5-2、5-4-1も可能な顔ぶれです。
純粋なFWは浅野拓磨、前田大然、上田綺世の3人で、ちょっと少ないかなとも感じます。ただ、森保監督はエクアドル戦の後半に伊東純也を2トップの一角で使いましたし、南野拓実をFWで使うイメージもあるのでしょう。ゼロトップもあるかもしれません。
2列目は多士済々と言っていいほどの個性と、スタイルの異なる選手たちが揃っています。今大会は交代枠が5人なので、森保監督は前線からのプレスや攻撃時のキレやスタミナを考慮してターンオーバーを考えているかもしれません。戦術的なバリエーションに対応できる選手が揃っていますし、グループステージの3試合プラスアルファをどう勝ち抜くかとの前提で代表スタッフと様々なシミュレーションを重ね、最終的にこの26人に決めたのだと思います。
左サイドは南野と三笘薫の2人でカバーしてきたなかで、相馬勇紀も招集しました。彼は直線的で力強く、タフさが魅力の突破型のサイドの選手です。三笘とはまた違ったテンポやリズムで何度も仕掛け、守備側に違った対応を迫ることができます。
エクアドル戦の終盤には、サイドハーフからウイングバックにポジションを下げました。彼がいることで選手を代えずに、4バックから3バックや5バックに変化させられる。戦術的な引き出しという観点からも、彼を招集した意味が分かります。
トップ下での起用が濃厚な鎌田大地は、フランクフルトでボランチも任されています。4-2-3-1へのシステム変更は彼を生かすためと言ってもいいもので、所属クラブでの好調さを考えてもカタールW杯でキーマンにあげられる選手です。
相手がマークにつきにくい中間ポジションでボールを受けることで守備側を惑わせ、そこから前を向いて相手を剥がし、最短距離でゴールに絡む迫力も備わってきています。そのうえでボランチやシャドーでもプレーすることができるので、システムに多様性をもたらす存在にもなっています。