甲子園の風BACK NUMBER
「高校野球が全国で一番強いのはどこ?」夏の甲子園・都道府県別「勝利数ベスト5」…3位は兵庫、2位は大阪、では1位は?《最新データで“平等な順位“も算出》
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph byBUNGEISHUNJU
posted2022/08/17 11:01
東京が2校代表になって以降(1978年~)、斎藤佑樹を擁する早稲田実業(2006年)など、東京は夏の甲子園で6度優勝している
西東京、東東京を“独立させて”順位を出すと…
そこで、別の方法をいくつか考えてみよう。まず、東京が東西に分かれた1974年以降の成績を算出し、『東東京』『西東京』のまま順位を出してみた。
1位:114勝 大阪
2位:87勝 神奈川
3位:75勝 東東京
4位:73勝 兵庫
5位:71勝 奈良
6位:68勝 千葉
7位タイ:66勝 高知、沖縄
9位:62勝 西東京
10位タイ:61勝 宮城、和歌山
12位タイ:60勝 愛知、愛媛
14位:59勝 広島
15位:56勝 鹿児島
16位タイ:54勝 群馬、京都
18位:51勝 埼玉
19位:50勝 徳島
20位:49勝 福岡
『東東京』が3位に食い込み、『西東京』は9位と2つともベストテンに入っている。東京は確実に強い地域に入る。
もし、東京が“1校代表制”だったら?
次に、1974年以降も東京が1校だったら……という仮定をしてみよう。東75勝と西62勝の2つを足せば137勝、これを割れば68.5勝になる。しかし、この計算は実情を正確には表さない。例えば、2校代表になってから東京は6度優勝している。該当年の東西の成績を見てみよう(5勝もしくは6勝のチームが全国制覇)。
1976年 東:日体荏原 0勝 西:桜美林 5勝
1989年 東:帝京 5勝 西:東亜学園 1勝
1995年 東:帝京 5勝 西:創価 2勝
2001年 東:城東 0勝 西:日大三 6勝
2006年 東:帝京 2勝 西:早稲田実 6勝(1分)
2011年 東:帝京 1勝 西:日大三 6勝
※早稲田実は2001年に新宿区から国分寺市に移転し、東東京から西東京になった。
高校野球は何が起こるかわからないとはいえ、もし1代表制なら「甲子園優勝チームが都予選を勝ち上がる」との想定が自然だろう。つまり、全国制覇とそれ以外のチームの勝利数を単純に2で割るよりも、多くの勝ち星を挙げた高校のみを計算に入れたほうが実態に近づくはずだ。