甲子園の風BACK NUMBER
「高校野球が全国で一番強いのはどこ?」夏の甲子園・都道府県別「勝利数ベスト5」…3位は兵庫、2位は大阪、では1位は?《最新データで“平等な順位“も算出》
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph byBUNGEISHUNJU
posted2022/08/17 11:01
東京が2校代表になって以降(1978年~)、斎藤佑樹を擁する早稲田実業(2006年)など、東京は夏の甲子園で6度優勝している
たとえば、2006年なら早稲田実の6勝はカウントするが、帝京の2勝は数えない。これに従い、他の年も東西で甲子園勝利の多い高校のみ計算に入れる。1987年の帝京と東亜学園のように同じ勝利数の場合は、片方を除く(この年は4勝ずつの計8勝だが、4勝で計算)。
このように、1年2校のうち勝利数の最高値をピックアップして、47年分を足す。北海道は第41回大会(1959年)から南北2校出場、埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪、兵庫は第80回記念大会(1998年)から10年ごとに、福岡は第100回記念大会(2018年)に2校出場しているため、この8道府県も同じ扱いをした上で、まず1974年以降の都道府県勝利数ベスト20を出してみよう(2校出場経験ありの県名には※を付ける。以下同)。
1位:111勝 大阪(※)
2位:108勝 東京(※)
3位: 82勝 神奈川(※)
4位: 73勝 兵庫(※)
5位: 71勝 奈良
6位: 67勝 千葉(※)
7位タイ:66勝 高知、沖縄
9位タイ:61勝 宮城、和歌山
11位タイ:60勝 愛知(※)、愛媛
13位:59勝 広島
14位:56勝 鹿児島
15位タイ:54勝 群馬、京都
17位:50勝 徳島
18位タイ:49勝 埼玉(※)、福岡(※)
20位タイ:45勝 茨城、熊本
北海道3回、東京21回…この数字が示すもの
東京はわずか3勝差で大阪に1位を譲ったが、それでも3位の神奈川に26勝差を付けている。愛知、兵庫、福岡は2校出場の年があったものの、どちらか(もしくは両方)が0勝だったため、勝利数の調整はなかった。ちなみに、9都道府県の2校出場、2校とも勝利を挙げた回数、その確率(小数点第2位以下を四捨五入)は以下のようになる。
4.5%:北海道 67回中3回
44.7%:東京 47回中21回
66.7%:埼玉 3回中2回
33.3%:千葉 3回中1回
100%:神奈川 3回中3回
0%:愛知 3回中0回
33.3%:大阪 3回中1回
0%:兵庫 3回中0回
0%:福岡 1回中0回
比較対象がないため、東京の「44.7%」の判断は難しいが、3回以下の府県の合計19回中7回の「36.8%」を上回っている。サンプルの少ない地域はさほど参考にならないものの、神奈川の成績には目を見張る。2008年には北神奈川の慶応が3勝でベスト8、南神奈川の横浜が4勝でベスト4に進出した。