大学野球PRESSBACK NUMBER
「“東大野球部に入ると留年する”って本当ですか?」文武両道の神童たちはどんな進路を歩む? 東大野球部の就職先ランキング《92年~01年編》
posted2022/06/11 11:01
text by
沼澤典史Norifumi Numazawa
photograph by
KYODO
◆◆◆
まずは、92年~01年の10年間のデータをもとに、卒部生の合計130人について以下のようなランキングを作成した。
<進路割合>
1位 就職(47%)61人
2位 在学(25%)32人
3位 大学院(20%)26人
4位 未定(6%)8人
その他、プロ1人
<業界別>
1位 銀行(14人)→就職者の23%
2位 広告(7人)→同11%
3位 生損保(6人)→同10%
4位 商社(5人)→同8%
5位 放送(4人)→同7%
6位 鉄鋼、食料品、空運(3人)→同5%
7位 不動産、自動車、建設、コンサル、情報・通信(2人)
8位 出版、証券、電気・ガス、総合電機、その他製品、医療(1人)
<企業別入社数>
1位 電通:6人
2位 日本興業銀行(現みずほ銀行):4人
3位 日本長期信用銀行(現新生銀行)、東京海上(現東京海上日動火災保険):3人
4位 日本開発銀行(現日本政策投資銀行)、三和銀行(現三菱UFJ銀行)、伊藤忠商事、三井物産、NHK、サントリー、日本生命、大成建設、新日鉄(現日本製鉄):2人
5位 日本政策投資銀行、住友銀行(現三井住友銀行)、東京三菱銀行(現三菱UFJ銀行)、博報堂、三菱商事、TBS、テレビ朝日、住友海上(現三井住友海上火災保険)、キリンビール、三井不動産、東急不動産、全日本空輸、日本航空、三菱自動車、三菱自動車川崎、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)、プライスウォーターハウス、岩波書店、野村証券、東京電力、日立製作所、ミズノ、NTTドコモ、住友金属鹿島、看護師、JALスカイサービス(現JALスカイ)、三井情報開発(現三井情報):1人
※卒部時点での進路。選手の他に、マネージャー(主務)、学生コーチも含んで算出している。出典は、日刊スポーツおよび東京大学野球部ウェブサイト。
バブル崩壊後も「銀行人気は高かった」
92年~01年の10年間において、東大野球部卒部生の進路で最も多いのは、一般企業への就職である。当時は1991年にバブルが崩壊し、株も不動産も大暴落。以降、日本経済は「失われた10年」とも称される不況に陥り、新規採用を抑制する企業が増え、新卒就職率も低下。いわゆる就職氷河期を迎えることとなり、92年には80%だった新卒就職率は01年には57%まで低下している(文部科学省「学校基本調査」における、当年3月卒業者の5月時点での就職率。以下同)。