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ブラジル代表「練習中ケンカの真相は“おふざけ”」「試合翌日に渋谷や銀座・居酒屋観光」 強さの根本に“オンとオフの切り替え力” 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byKazuo Fukuchi/JMPA

posted2022/06/10 11:02

ブラジル代表「練習中ケンカの真相は“おふざけ”」「試合翌日に渋谷や銀座・居酒屋観光」 強さの根本に“オンとオフの切り替え力”<Number Web> photograph by Kazuo Fukuchi/JMPA

ピッチ内外で多くの話題を提供したブラジル代表。彼らの行動から何を感じるか

 ディフェンス役の選手(通常1人)を攻撃役の数選手が取り囲み、原則としてワンタッチでパスを回す。ウォーミングアップとパス交換の基本練習を兼ねている。試合前、ピッチの隅で控え選手がよくやるから、スタジアムで試合を観戦したことがある人にはお馴染みだろう。

 この“鳥かご”が終わり、戦術練習へ移るため選手たちがピッチの中央付近へ歩き始めた。

リシャルリソンがニヤニヤしながら……

 リシャルリソンがニヤニヤしながら先を歩いていると、後方のネイマールが両手を広げて話しかける。何か文句を言っているようだ。これに対し、リシャルリソンが右手を上げて言い返す。

 ネイマールの右隣では右SBダニエウ・アウベス(バルセロナ)が、左隣ではFWビニシウスが歩いている。

 このとき突然、アウベスが走り寄ってリシャルリソンに掴みかかった。リシャルリソンは驚いた様子だったが、アウベスのシャツの胸を掴んで応戦する。

 これを見て、ビニシウスが首を左右に振りながら走ってきて(この仕草が実にコミカル。彼はまだ21歳の“少年”なのだ)、何か言いながらやはりリシャルリソンに詰め寄る。リシャルリソンとアウベス、ビニシウスの小競り合いが始まった。するとネイマールも駆け寄り、リシャルリソンに掴みかかる。

 さらに少し遠くからMFルーカス・パケタ(リヨン)も走ってくる。そして、ビニシウス、パケタ、ネイマールがリシャルリソンにデコピンを見舞い、アウベスが右手で後頭部を軽くはたく。

 デコピンとは、おでこを中指で弾くこと。日本では小中学生などがふざけてやっている(やっていた)と思うが、ブラジルでは練習中にミスをした選手にこれで“罰”を与えるのが通例だ。

ネイマールは笑っていたし、チッチ監督も……

 ネイマールとアウベスは気が済んだのか、その場から離れる。

 リシャルリソンも笑いながら歩き始めるが、ネイマールを指さして口を開く。「覚えていろよ」とでも言っているような感じ。これを見てネイマールが言い返すが、最後は笑っている。

 この様子を少し後ろからチッチ監督が眺めていたが、表情一つ変えていない。

【次ページ】 静止した場面を写真で見て「ケンカ」と感じたのでは?

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