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「W杯優勝へ不安材料はネイマールの…」「Jの選手とは鍛えられ方が違う」ブラジル代表のエグさを三都主アレサンドロ44歳が解説
posted2022/06/10 11:03
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Kiichi Matsumoto/JMPA
元日本代表左SB三都主アレサンドロ(44)に6月2日の韓国対ブラジル戦、6日の日本対ブラジル戦をブラジルでテレビ観戦してもらい、日本代表とブラジル代表についてコメントをもらった。
三都主はブラジル生まれで、16歳で明徳義塾高(高知)へ留学。高校卒業と同時に清水エスパルスに入団し、浦和レッズ、名古屋グランパス、栃木、岐阜でもプレー。2001年末に日本国籍を取得し、日本代表として2002年と2006年のワールドカップ(W杯)に出場。2006年大会ではグループステージでブラジルと対戦した。
現在は、生まれ故郷であるブラジル南部マリンガで愛知県の人材派遣会社が出資したプロクラブ(アルコ・スポーツ・ブラジル。今季、パラナ州2部で優勝し、来季から1部)のCEOを務めるかたわら、自ら立ち上げた選手育成クラブ「三都主サッカーアカデミー」を運営している。
インタビュー前編では、カタールW杯優勝候補として見られるブラジル代表について語ってもらった。
若手の頃から試合をこなして心身ともにタフなんだ
――6月2日にソウルで行なわれた韓国戦でのセレソンの試合内容をどう見ましたか?
「多くの選手が体調に問題があると思っていたんだけど、予想外に良く動けていたね。途中で疲れが見えた時間帯もあったけど、また持ち直した」
――それはなぜでしょうか?
「セレソンの一員としてプレーしているというプライド、そしてポジションを奪ってやろう、W杯に何としても出たい、という気持ちだろうね」
――ブラジル選手は、20時間を越える長旅を経て韓国へ到着し、12時間という途方もない時差がありながら、5月28日の欧州チャンピオンズリーグ決勝に出場した選手を含め、あれだけ動けていた。ブラジル選手のスタミナは、超人的です。
「彼らは、若手の頃から多くの試合をこなし、精神的にも肉体的にも非常にタフなんだ。そして、欧州の強いクラブに所属すれば、必然的に試合数が増える。南米、欧州より試合数が少ないJリーグの選手とは、鍛えられ方が違う」
日本が「韓国を見習うべき」だった形とは
――試合はブラジルが試合開始早々、先制し、一時は同点とされたものの、また突き放した。5-1の大勝でした。
「韓国は、日本と違って中盤でボールをつなごうとしていた。ポルトガル人監督の指示だろうね。でも、ブラジルの強烈なプレスの前にすぐにボールを失い、また守備に追われる、の繰り返し。ブラジルは、ほとんどの時間帯で試合をコントロールできていた」
――それでも、韓国は1点取りました。