熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「南野拓実と三笘薫、先発はどっち?」の質問に… 左ウイング経験者・三都主アレサンドロが示す“2つの案”〈三笘弾はブラジルで絶賛〉
posted2022/03/28 17:03
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
JMPA/Getty Images
「三笘(薫)はスゴかった! 先制ゴールも良かったけど、さらに2点目を取りにいった貪欲さが素晴らしかった!」
ブラジル南部マリンガの自宅で、リアルタイムでオーストラリア対日本のテレビ中継を見た三都主アレサンドロは、興奮していた。7大会連続となるW杯出場を決めた日本代表の戦いぶりについて、振り返ってもらった。
「根拠のある自信」で勝負を挑んだ
――これまでの日本人選手ではなかなか見られないプレー。まるでブラジル人選手のようでしたね。
「日本にとっては引き分けでもいい試合だったけど、交代で入ってすぐに得点。それでも十分なのに、ボールをキープして時間を稼ぐふりをして相手の逆を突き、ダメを押した」
――ブラジルのテレビの解説者も、「この若者が、短時間にすべてを変えた。特に、2点目はゴラッソ(スーパーゴール)」と称賛していました。
「三笘がどんな気持ちでプレーしていたのか、僕は手に取るようにわかるよ」
かつてクラブで、そして代表で左ウイングとしてもプレーした経験を持つ44歳は続けた。
「それまでベンチに座っていて、ハッピーだったはずがない。先発したかった、もっと長い時間プレーしたかった、と思っていたにちがいない。その悔しさをすべてぶつけた」
――1点目は守田(英正)、山根(視来)らのお膳立てからでしたが、2点目は完全な個人技によるものでした。なぜあのような判断をしたと思いますか?
「彼には、前方にスペースが見えていた。また、1対1を仕掛けたら絶対に勝てる、という自信があった。この“根拠のある自信”で勝負を挑み、それがあのような結果を生んだ」
まるで日本のホームゲームみたいだったね
――なるほど。この試合全般については、どう見ましたか?
「まるで日本のホームゲームみたいだったね。序盤こそ相手をリスペクトしてかやや慎重だったけど、次第にゲームを支配していった。
これまでのように右サイド一辺倒ではなく、中央、左サイドからも鋭い攻撃を仕掛けた。ボールを失っても、すぐに中盤の3人がボールを奪い返し、攻め直す。
オーストラリアは、どうしても勝たなければいけない試合で、しかもホームだったのに、ほとんどの時間帯で守備に追われていた」
――日本は、センターバック冨安(健洋)、右サイドバック酒井(宏樹)、センターフォワード大迫(勇也)のレギュラー3人が故障で欠場。彼らの代わりに、板倉(滉)、山根、浅野(拓磨)が先発しました。この3人のプレー内容をどう評価しますか?