熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「南野拓実と三笘薫、先発はどっち?」の質問に… 左ウイング経験者・三都主アレサンドロが示す“2つの案”〈三笘弾はブラジルで絶賛〉
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byJMPA/Getty Images
posted2022/03/28 17:03
今予選で左ウイングを任され続けた南野拓実と、オーストラリア戦で大活躍の三笘薫。2人について三都主アレサンドロはどう見る?
「冨安の代役を務めた板倉は、とても落ち着いていて、能力を十分に発揮した。吉田(麻也)との連携も良かった。
山根は、前半は守備に重点を置いていた。対面するオーストラリアの11番(アワー・メイビル)が危険な選手だったからね。でも、後半、チャンスと見るや攻撃にも参加して先制点をお膳立てした。
浅野は、持ち味のスピードを生かしてスペースへ走り込み、チャンスを作った。相手守備陣は、彼のことを明らかに嫌がっていた」
セットプレーの“ゴール取り消し”は幸運だった
――左サイドバック長友(佑都)については?
「オーストラリアで最も危険な選手である10番(アイディン・フルスティッチ)をマークする必要があったので、やはり守備を優先した。それでも、機を見て攻撃にも参加してチャンスを作った」
――ただ、危ない場面もありました。前半25分、オーストラリアの左CKからのクロスをGK権田(修一)がCBトレント・セインズベリーと争ったもののボールに触ることができず、後方にいた山根に当たってゴールイン。主審はオーストラリアのファウルを取りましたが、ブラジルのテレビは解説者もアナウンサーも「ファウルはなかった」と言っていました。
「審判によっては、得点を認めていただろうね。日本は幸運だった」
――なぜあのような事態を招いたのでしょうか?
「まず、誰もセインズベリーをマークできず、権田と1対1で競り合わせてしまった。彼の意図は、自分が頭で決められなくても権田に仕事をさせないこと。そして、権田も手が使えるという(GKとしての)アドバンテージを生かせなかった」
あえて「守備陣全体のミス」と指摘した場面は?
――その10分後にもあわや失点かという場面がありました。
※フルスティッチが右サイドを突破し、吉田が急行。遠藤(航)も駆け付け、フルスティッチのクロスが遠藤に当たった跳ね返りを6番(マーティン・ボイル)がクロス。再び遠藤に当たって左へ流れたところを3番(MFコナー・メトカーフ)が思い切ったミドルシュート。ゴール前で吉田と板倉に挟まれていた15番(CFミッチェル・デューク)が咄嗟に足を出してコースを変えると、ゴールポストのすぐ横をかすめていった。
「あれも危なかった。最初にフルスティッチがパスを受けた場所(日本の自陣左サイド)をカバーすべきなのは長友だけど、あの時は攻め上がっていて戻れなかった。それで吉田が釣り出され、遠藤も戻ったんだけど、ボールを取り切れなかった。さらに、3番のシュートも15番のフリックも防げなかった。守備陣全体のミスと言うべきだろうね」
――スコアだけ見たら日本の快勝で、前半から日本は多くのチャンスを作っていたわけですが、実は前半、オーストラリアも1、2点取っていておかしくなかったというわけですね。