熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「南野拓実と三笘薫、先発はどっち?」の質問に… 左ウイング経験者・三都主アレサンドロが示す“2つの案”〈三笘弾はブラジルで絶賛〉
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byJMPA/Getty Images
posted2022/03/28 17:03
今予選で左ウイングを任され続けた南野拓実と、オーストラリア戦で大活躍の三笘薫。2人について三都主アレサンドロはどう見る?
「あの敗戦は、本当に悔しかった。先制して終盤までリードしていたのに、最後になって続けざまに失点したんだから……。
あのときのオーストラリアには、リバプールに在籍していた(ハリー・)キューウェル、やはりプレミアリーグでプレーしていた(マーク・)ビドゥカ、(ティム・)ケーヒルら個性豊かで能力の高い選手がいて、とても手強かった。
でも、この試合で日本が敵地でオーストラリアを圧倒して、(16年前の)僕たちの悔しさを晴らしてくれた」
――当時に比べ、オーストラリアは弱くなったと思いますか?
「この試合の出来が悪かったのは確か。でも、日本が強かった、と言いたいね(笑)」
南野と三笘を同時に使うオプションはある
――日本は、7大会連続7度目のW杯出場を決めました。今後、W杯までに解決すべき課題は何でしょう? まず守備面から。
「このチームのストロングポイントは守備(注:オーストラリア戦までの9試合で3失点はグループ最少)だけど、この試合でも少ないとはいえ決定機を作られていた。
セットプレーにもっと強くならないといけないし、ポジショニングのミスも減らしたい。これから大会までにできるだけ強い相手、できれば欧州や南米の強豪と試合を組んで強化したい」
――攻撃面では?
「オーストラリア戦に出場した選手以外にも、久保(建英)、堂安(律)、前田、古橋(亨梧)、旗手(怜央)らがいる。
以前と比べて、選手層が厚くなったのは間違いない。でも、W杯で対戦する相手にはとてつもないスケールのアタッカーがいる。日本にも突出した力を持つ選手が欲しい。今後、若手、中堅がクラブでさらに成長し、日本代表でも力を発揮してもらいたい」
――フォーメーションは、4-3-3のままでいいと思いますか?
「今の日本は、攻めているときが4-3-3で、守っているときが4-5-1。中盤の3人がとても効いているので、基本的にはこれでいいと思う。そして、どうしても得点が必要な状況になったら攻撃的な選手を投入すればいい。田中か守田を外してダブルボランチにして、三笘を左サイド、南野をトップ下に置くオプションが考えられる」
2002年と2006年のW杯のピッチに立ち、日の丸を胸に付けて82試合に出場して7得点を記録した男は、日本の快勝を心の底から喜んでいた。
後輩たちを称え、彼らに感謝しながらも、その一方で冷静に試合を分析してくれた。
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