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まさかの落選が続出? 箱根駅伝エントリーから漏れた有力選手「青学は2チーム分の選手層だから」「他では間違いなくメンバー入りなのに」
posted2021/12/13 17:50
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Nanae Suzuki
箱根駅伝を駆ける各大学16名のエントリーメンバーが発表された。
おそらく前日、前々日には各大学でメンバーが発表され、選手はいろんな感情を抱いて、その日を過ごしたことだろう。16名に入った選手は、本番に向けてより集中し、外れた選手は彼らをバックアップする側に回る。落選した理由は、故障や力そのものが及ばなかった場合などいろんなケースがある。気持ちを整理できない選手もいるが、この厳しさがあるからこそ箱根駅伝は人々を魅了するのだろう。
その厳しさの象徴である箱根駅伝のエントリーから今季も多くの有力選手が漏れている。
駒大)選手層が厚すぎて“有力選手”が続々と落選
駒澤大学は、疲労骨折からの復帰が心配された鈴木芽吹(2年)が登録された。2年生が8名登録され、今季の駒大の強さを象徴するメンバー構成になったが、その2年生の中で赤津勇進が外れた。5000mで13分52秒27、10000mでは28分30秒64の持ちタイムがあり、出雲駅伝では5区に出走、10位と力を発揮できなかったが、「次、挽回したい」と意欲的だっただけに、悔しい落選になった。
3年生では全日本エントリー組の円健介と中島隆太が漏れた。円は世田谷ハーフで23位(1時間04分14秒)とインパクトがある結果を残せなかった。また、昨季の箱根6区で根性の走りを見せて区間賞を勝ち取り、逆転劇を点火させた花崎悠紀(4年)も落選した。6区という特殊区間で花崎のレベルのタイムを出せる選手が控えているのが選手層の厚い駒大の強みだが、あの爆発的でエネルギッシュな走りを見せた花崎の代わりに誰が山を下るのか、非常に楽しみだ。
創価大)前回の最終ランナー・小野寺は落選
創価大学は、昨季の箱根駅伝、総合2位の経験者では永井大育(4年)と10区でまさかの逆転負けを喫した小野寺勇樹(4年)がエントリーから外れた。
創価大は、昨季の箱根エントリー上位10名の10000mの平均タイムが29分05秒だった。今季の上位10名の平均タイムは28分35秒と30秒も短縮され、全体のレベルが非常に上がっている。永井も小野寺もチーム全体のタイムから判断するとやや伸び悩んでおり、「公平な視点で選手を選考する」という榎木和貴監督の方針からメンバー外になったのは、ある意味公平な選考の結果と言える。