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まさかの落選が続出? 箱根駅伝エントリーから漏れた有力選手「青学は2チーム分の選手層だから」「他では間違いなくメンバー入りなのに」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2021/12/13 17:50
来年1月2、3日に開催予定の箱根駅伝。出場各校のエントリー選手が発表された
東洋大)箱根へのラストチャンスを掴めなかった選手も
東洋大学は、三大駅伝の初戦、出雲駅伝は3位と好スタートを切ったが、全日本大学駅伝は10位とシード権を失う結果に終わった。箱根は昨季3位と復活しただけに、今季は順位を落とすことは許されない。
2つの駅伝出場組から漏れたのは、菅野大輝(2年)だけだ。菅野は全日本6区を走ったが11キロ手前でしゃがみ込むなど体調不良で13位に終わり、その後も回復ができなかった。主力級では2020年箱根駅伝で10区19位に終わった及川瑠音(3年)が漏れている。今年7月のホクレンディスタンス士別大会では5000mで13分47秒98、12月の日体大記録会の10000mでは28分55秒52とそれぞれ自己ベストを出し、調子を上げてきていただけに残念な落選だった。来年のラストチャンスに賭けることになる。
また、1年時、箱根駅伝8区を走り、東海大の小松陽平に抜かれて、その後、調子が上がらないまま最終学年を迎えた鈴木宗孝(4年)は、復活の姿を見せることなく、箱根を去ることになった。
青学大)他大学であれば“間違いなく主力”の選手でさえ…
青山学院大学は、10000m28分台が23名、5000m13分台が26名もいる。言ってみれば箱根駅伝に2チームをエントリーできるぐらいの分厚い選手層を持つ。それゆえエースの近藤幸太郎(3年)他、絶対に外せない選手以外は、トラックでの選考レースでふるい落とし、本番を見据えて勝負に強く、コンディションがいい状態の選手をエントリーしている。
力のある選手の中では、10000m部内4位で28分28秒97のタイムを持つ小原響(2年)と今年の出雲駅伝5区6位と健闘した目片将大(3年)がエントリーから外れた。特に目片は、原晋監督が箱根選考レースとして重視していた世田谷ハーフで1時間03秒16で8位といい走りをみせていただけに、落選は驚きだった。さらに脇田幸太朗(3年)も外れるなど、特殊区間での走りが期待される選手が軒並み漏れているのは飯田貴之(4年)、高橋勇輝(4年)に対する高い信頼度の証でもあるだろう。
力があり、他の大学なら間違いなくレギュラークラスの選手ゆえに非常に残念だが、トラックでの選考で振り落とされ、分厚い選手層の壁に阻まれたと言えよう。
東海大)大エースも出場を回避…苦しい戦いになるか?
東海大学は、目を疑うほど主力が登録メンバーから外れた。