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箱根駅伝予選会「昨年以上の超高速レースになる」3つの理由…《トップ通過から最後の1枠》10位圏内を予想してみた
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJMPA
posted2021/10/22 17:02
10月23日に開催される箱根駅伝予選会。上位10校が来年1月に開催予定の本戦出場権を得る
〈有力候補〉上位5位に入るのは…?
3強につづくのは、中央学院大、神奈川大、拓大、城西大あたりだろうか。
中央学院大は、昨年の箱根駅伝予選会12位となり、本戦への出場を逃した。ほぼ無策で挑み、失速。「過信」と「慢心」が招いた結果とはいえ、その衝撃は想像以上に大きかった。その悔しさを忘れずに今年はスピードに力を入れ、チーム力をアップさせてきた。全日本大学駅伝予選会では10000m1組で伊藤秀虎(2年)らが流れを作ると3組目の小島慎也(3年)と武川流以名(3年)がワンツーフィニッシュを決め、栗原啓吾(4年)は総合9位の走りで、予選会突破を実現した。エースの栗原を軸に粘りのある走りで復活を印象付け、夏合宿も順調に終えた。最終的に松島匠(3年)、武川らがメンバーから漏れたが、吉田礼志(1年)ら4名の1年生の走りに期待が膨らむ。
神奈川大は、主将の西方大珠(4年)が好調だ。10月の日体大記録会で5000m13分55秒68の自己ベストを出し、チームを引っ張る。中心は、7名がエントリーされた2年生になる。10000m28分52秒30の巻田理空、さらに高橋銀河、宇津野篤らがまとまって力を発揮すれば、安定した順位で予選通過を実現できるだろう。
拓大は、全日本大学駅伝予選会では留学生のジョセフ・ラジニ(3年)が総合3位と好走し、4位で本戦出場を決めた。ラジニは昨年の箱根予選会ではトップで、9位通過に貢献している。箱根駅伝組は9名が残り、今回の予選会エントリーにはそのうち8名が入っている。全体では4年生の充実が目を引き、彼らが好走すれば予選通過は、決して難しいミッションではない。
城西大は、箱根組が6名残り、その内5名エントリーした。主力が整わなかった全日本大学駅伝予選会は、13位に終わったが、今年、自己ベストを3回連続更新したエースの砂岡拓磨(4年)を中心に主将の宮下璃久(4年)が戻り、戦闘態勢が整った。エース格の藤井正斗(3年)の成長に加え、2年生も充実している。全日本大学駅伝予選会にエントリーした7名の2年生のうち、今回の予選会には5名がエントリー済み。この学年の中心選手である山本唯翔、野村颯斗に加え、スパートに強味を見せる山中秀真がどこまで上位に食い込めるか。
本選出場を狙う“ラストシート”の熾烈な争い
ラストシートは、昨年同様、激烈な争いになりそうだ。
昨年は、8位の法政から10位の専修大まで28秒差だった。11位の筑波大と専修大の差は18秒、12位の中央学院大とは37秒差だった。今年も、僅差で8、9、10位が決まりそうだ。争うのは、日体大、国士舘大、山梨学院大、専修大、駿河台大か。