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2024年パリ五輪〈卓球女子団体〉には誰が選ばれる? 伊藤美誠、平野美宇だけじゃない「黄金世代」と“期待の新星”が多すぎる
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byTakuya Matsunaga/JMPA
posted2021/08/26 17:04
東京五輪の銀メダル獲得で五輪3大会連続のメダルとなった卓球女子団体。3年後のパリに向けて、代表争いも過熱していく
日本でここまで若手が育つワケ
中国に次ぐ、そして中国にも食い下がろうとする段階まで来た。
国内外で活躍する有力選手が多く表れている背景には、日本卓球協会による育成がある。1980年代に、普及と育成を目的とし、小学6年生以下によるホープス、小学4年生以下のカブなど年代別の全国大会を設け、2001年には小学生のナショナルチームである「ホープスナショナルチーム」を立ち上げた。選ばれた選手たちは合宿などを通じ、プレーをはじめ選手としての心構えなどを学んでいった。また、ここに携わる多くのコーチにとっても、指導の技量をあげる機会となり、それも卓球界の財産となっただろう。
さらにはナショナルトレーニングセンターを拠点とする「JOCエリートアカデミー」もスタートし、加藤、平野、長崎、木原らがここで練習に励んだ。
特定の指導者や指導拠点に頼らず広く普及と強化を根底に置いた、長期的な育成の取り組みが現在の隆盛につながっている。
それが生み出した熾烈な代表争いが、日本女子のレベルをまた高めることになる。
それぞれにプレースタイルを磨き、キャリアを重ねてきた選手たちは3年後へ向けてどう進んでいくのか。最終的にオリンピックに出場できる選手、出場できない選手がいる。ただ、代表へと向かう選手たちの過程を見守りたい。
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