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「福原さんは、すごいな」卓球・石川佳純が見ていた“リオのキャプテン”の姿 団体“銀”の3人は東京五輪にどう挑んだか
posted2021/08/06 17:07
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Takuya Matsunaga/JMPA
悔しかった。でも、楽しかった。
試合を終えたあとの、伊藤美誠の言葉は、3人の心持ちを象徴しているようだった。
8月5日、卓球女子団体決勝が日本と中国の間で行なわれた。
前評判通りの組み合わせだった。過去全大会で金メダルを獲得している中国と、水谷隼と組んだ混合ダブルスで金メダル、シングルスで銅メダルの伊藤に加え、石川佳純、平野美宇と、充実したメンバーがそろう日本。どちらも波乱なく、勝ち上がってきた。
日本は打倒中国を合言葉に、歩んできた。その成果を試される場でもあった。
でも壁を越えることはできなかった。
鍵を握る第1試合のダブルスは石川と平野
勝つためには先手をとることが重要だ。鍵を握る第1試合のダブルスは石川と平野のペア。第1ゲームは厳しいコースを積極的に突くことでペースを握り、先取する。ただその後は中国のペアも対応し、しっかり打ち返してくる。3ゲームを続けて奪われ、1-3に終わる。
第2試合は伊藤がシングルスの準決勝であたり0-4で敗れた孫穎莎とぶつかる。同じ20歳、切磋琢磨してきたライバルだ。
0-2と2ゲームを奪われた第3ゲームは持ち味の多彩なサーブをいかしながら辛抱強く、でもときに思い切りよくプレーし奪い返すが第4ゲームを落として1-3。
第3試合は平野が登場する。序盤から積極的に攻め、拮抗した戦いを繰り広げるが中盤から引き離されて第1ゲームを落とす。試合全般に安定感で上回る相手に0-3。ここで中国の優勝、日本の銀メダルが決まった。