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2024年パリ五輪〈卓球女子団体〉には誰が選ばれる? 伊藤美誠、平野美宇だけじゃない「黄金世代」と“期待の新星”が多すぎる
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byTakuya Matsunaga/JMPA
posted2021/08/26 17:04
東京五輪の銀メダル獲得で五輪3大会連続のメダルとなった卓球女子団体。3年後のパリに向けて、代表争いも過熱していく
2000年生まれが黄金世代と言われる理由は、この2人の存在だけにあるのではない。東京五輪でリザーブメンバーであった早田ひなもまた、2000年生まれである。
167cmの長身をいかした強烈なフォアドライブを武器とする早田もまた東京の代表入りを目指していたが、落選。しかし直後の2020年1月の全日本選手権では、準決勝で伊藤、決勝で石川を破り初優勝を果たした。
「平野選手、伊藤選手に続きたいという思いはありました」
代表落選に沈むことなく、むしろ糧にしようとした姿勢は、選ばれなかったことを聞いたとき「限界を作らないようにしよう」と決意し、練習時間を長くしてプレーの中身も見つめ直したところに表れていた。平野がリオで試合を見守ったように、早田もまた、東京五輪での時間を財産にできるはずだ。
10代の若手有望株の台頭も?
伊藤たちの1つ上、1999年生まれの加藤美優も今後が期待される1人。小学生の頃、「ミユータ」と称される逆チキータを生み出し台頭。2019年には国際大会で世界ランキング1位であり東京五輪でも金メダルの陳夢を破っている。
現在23歳の佐藤瞳も日本卓球女子を担う1人。相手のボールを粘り強く拾い続ける「カット主戦型」という世界上位でも限られた戦型とともに国際大会で活躍してきた。2017年のカタールオープンでの試合で、時間にして10分13秒、766ラリーを続けたこと(国際卓球連盟は「史上最長ラリーである」と伝えた)、2020年オマーンオープン決勝で加藤と対戦し、1時間38分の世界最長試合を繰り広げた末に優勝したこともその粘り強さを示している。
さらには日本でもトップクラスと言われるボールの威力を武器に、2019年の世界ジュニア選手権シングルスで日本選手史上初の優勝を果たした19歳の長崎美柚、同じ2019年の全日本選手権において史上最年少の14歳5カ月で決勝に進んだ17歳の木原美悠もいる。この2人はダブルスでペアを組み、同年のワールドツアーグランドファイナルで東京五輪の中国代表である孫穎莎、王曼昱を破るなどして優勝している。
そのほかにも将来を嘱望される選手たちが数多くいる。